現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>古典芸能> 記事 舞うと死ぬ?秘曲「採桑老」9日上演 元宮内庁楽部・東儀俊美2007年06月01日16時03分 舞うと死ぬという言い伝えがつきまとう舞楽の秘曲がある。「採桑老(さいそうろう)」。元宮内庁楽部の東儀俊美(としはる)が、9日の国立劇場小劇場(東京・三宅坂)での公演「雅楽『楽家(がっけ)』の伝承をたずねて」で挑む。 「採桑老」は一人舞。宮内庁楽部には管弦譜、面などはあるが、舞い方を示した舞譜はない。「舞わない」と記す音楽事典もある。「教訓抄」によれば、多(おおの)家の秘曲だったが1100年、多資忠が伝授をめぐり殺害され廃絶、後年復曲された。東儀家などが属する天王寺楽派にかろうじて簡単な覚書が残った。 「この曲の継承者をめぐる刃傷ざたが、『舞うと死ぬ』との言い伝えを生んだようです」と俊美。かつて東京で上演した舞い手は、1、2年後に亡くなったという。「数年前に大学生が舞いましたが、彼はぴんぴんしてます」。17〜18世紀に最低9回舞われたが、その後の消息は定かでない。 面は、青白い素地にシワが縦横に刻まれ、下をにらんだ半眼で、老人のデスマスクのよう。舞の途中で漢詩を唱える「詠(えい)」の文言に「百歳死無疑」とある。「年功のいった楽人が舞うのを前提とした曲だったのでしょう」と俊美はいう。 今回、俊美は覚書を舞譜集「掌中要録(しょうちゅうようろく)」や「明治選定譜」などと付き合わせ、「詠」は除き、約20分の曲に復元・構成した。「現行曲中この曲だけ私は舞っていない。言い伝えは気になりますが、舞いたい気持ちが圧倒的に上回りました」 入場券は完売している。 PR情報この記事の関連情報 |