現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>古典芸能> 記事 沖縄古典芸能の風、東京で再び 古典舞踏劇「組踊」2008年01月25日14時57分 原色の鮮烈な衣装、エネルギーを抑えこんだ身体動作、悲調を込めたせりふ回しと音楽。沖縄の「組踊」は、琉球王朝時代から連綿と伝わる古典舞踊劇だ。作家の大城立裕が、創作組踊十番を収録する楽劇集『花の幻』(カモミール社)を刊行した。収録作の上演も予定されている。 「琉球語を知るネーティブの最後の世代として、継承のためには新作が必要だという使命感に突き動かされた」。大城は執筆動機をこう語る。 収録作は01〜07年に制作された。「真珠道」「山原船」など各時代を象徴する5作を始め、宮古・八重山の民謡を使った劇もものした。「日々消失してゆく琉球語、方言を拾い集めた」 琉球の古典芸能は、劇構成された「組踊」と、単発舞踊「端踊」を合わせ「御冠船(おかんせん)踊」と総称される。国王交代時、中国皇帝の詔勅を携行する冊封使に首里城で披露した。高い芸術性を誇る「組踊」は玉城朝薫(1684〜1734)が創始。能や歌舞伎の影響も受け、「執心鐘入」「銘刈子(めかるしい)」などの名作を残した。 「国立劇場おきなわ」の大城学・調査養成課長は「首里城の官吏は芸能が必須。男性だけで上演されたため、女形が生まれた」と説明する。戦争などの影響で現在は女優も増えた。 「組踊」の女形の所作は目を見張らせる。カチャーシーの外向的弾力が、能のように内側にたわめられ、えもいわれぬ力感と雅韻をたたえて妖麗な異国の花になる。 せりふは、八八八六(サンパチロク)の伝統韻律による詩形の連鎖。語る際、オペラのレチタティーボのように、なだらかな旋律を伴う。「言葉を思いついても、サンパチロクに乗せる苦労がありました」と大城立裕。彼の作品では現代的演技も加えているという。 60年代以降、東京・国立劇場では定期的に「御冠船踊」を上演していた。しかし04年、浦添市に「国立劇場おきなわ」が開場すると演者は東京から遠のいた。これを惜しむ東京・国立劇場のテコ入れもあり、再進出が始まろうとしている。 そのプレ公演ともいえるのが、東京・国立劇場での舞踊公演「花玉城」(2月1日午後6時半開演、8000円)。「沖縄の人々の許す心」がテーマの組踊「山原船」も上演される。 出演する玉城秀子は「沖縄の人が前向きに、一つの家族のように生きる姿が描かれている」と言う。演出は幸喜良秀。「新作の可能性が示されるはず。生きる力を感じてほしい」と話している。 09年1月には、東京・国立劇場で「真珠道」が上演される予定。沖縄古典芸能の風が再び吹きそうだ。 PR情報この記事の関連情報文化・芸能
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