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「大使」の春風亭栄枝さん、ブラジルで落語会計画

2008年01月19日06時39分

 ブラジルへの移民が始まって100周年の今年、落語家の春風亭栄枝(えいし)さん(69)=東京都豊島区在住=がブラジル各地で日系人に向けた落語会を計画している。「落語大使」の異名も持つ栄枝さんは、これまでに同国を含め約10カ国で日系人を前に高座に上がってきた。今回は都市部だけでなく「地方に住む1世の人にも聞いてもらいたい」と張り切っている。

 栄枝さんのブラジル訪問は95年に続いて2回目。前回はサンパウロ中心だったが、今回は日系人向けの「サンパウロ新聞社」などの協力で、サンパウロ近郊や北部の港町ベレン、アマゾン地域のマナウスなど、日系人の開拓農園がある街にも出向く。7月上旬からの約2週間で、6都市で計11公演を行う予定だ。

 初めて海外で落語会を開いたのは76年。ロック好きでラジオのDJも務めていたことから、航空会社から機内誌用にアメリカ独立200周年記念行事の取材を頼まれたのがきっかけだった。

 取材の合間に訪れたサンディエゴのすし屋。主人に落語家であることを話すと、落語会を開いてほしいと頼まれた。

 当日、店は30人ほどの日系人でいっぱいに。自分が生まれる前に日本を離れた1世の人もいれば、落語を初めて聞く2世もいた。「最初はオドオドしてしまった」が、古典落語の定番「品川心中」を演じた。

 その後の取材旅行でも、ロサンゼルスやサンフランシスコのレストランなどで日系人向けに落語を演じた。帰国後も機内誌の記事を書くのと引き換えに航空券をもらい、海外に出かけては高座に上がった。

 どういう噺(はなし)が受けるのかを知るため、栄枝さんは公演前に必ず観客と雑談する。相手の日本語力を確かめながら、題目もその場で考えるという。

 最初のブラジル訪問では忘れられない思い出がある。泊めてもらった日系人の家で、朝、3世の幼い娘がリコーダーを練習する音色で目が覚めた。滝廉太郎の「花」だった。

 「日本の裏側にいても、日本の文化を大切にしていると感じました」

 今回の訪問では、日本語を知らない2世、3世にも落語に親しんでもらえる機会を作りたいと、栄枝さんは考えている。

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