悩むことに価値 近藤芳正主演「ハゲレット」
2006年03月08日
シェークスピアの「ハムレット」を鈴木聡が脚色した舞台「ハゲレット」(小田島雄志翻訳・監修、山田和也演出)が9日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで開幕する。主演は近藤芳正。コミカルな味付けはされているが、「悩むこと」の価値を見直そうというメッセージが込められている。
近藤は「うじうじ悩む、等身大の格好悪いハムレットを鈴木さんが書くと聞いて、それはおもしろいなと思いました。でも、『ハゲレット』になるとは意外でした。僕、まだそこまではいっていないんで……」と笑う。
ハムレットはそもそも悩む主人公だが、今回はその象徴として「髪が薄い」という設定に。「考える人」という点を強調している。
「パロディーっぽい感じになるのかと思ったら、台本は原作の大事な部分をきちんと押さえ、その中に現代を考える視点がある」と近藤は話す。「例えば昨年の総選挙で小泉自民党が圧勝したけれど、有権者が勢いに踊らされた部分はなかっただろうか。みんな深く考えて投票しただろうか。そういった鈴木さんの危機感が反映されていると感じます」
世の大きな潮流に流されず、立ち止まって自分の生き方を貫くハムレット像は、近藤が過去に演じた役とも通じる。「笑の大学」(三谷幸喜作)での検閲に静かに立ち向かう喜劇作家。朝日舞台芸術賞グランプリ受賞作の二兎社「歌わせたい男たち」で高校卒業式での「君が代」強制にたった一人異を唱える教師。ともに、押しつぶされそうになりながら必死に闘う人たちだった。
「昔、NHK『中学生日記』に出演していたのですが、その時も教師に反抗する役でした。自分の中にそういう面があるな、と思います」
笹本玲奈、久世星佳、ベンガルが共演。公演は21日まで。7000円。電話03・3478・1803(ミー&ハーコーポレーション)。
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