呉泰錫、朝鮮王朝版「ロミオとジュリエット」を公演
2006年07月11日
「韓国演劇界の父(アボジ)」と呼ばれる劇作・演出家の呉泰錫(オ・テソク)。主宰する劇団「木花(モッカ)」が、代表作「ロミオとジュリエット」で14日から日本公演をする。シェークスピアの原作を朝鮮王朝時代に置き換えた作品だ。
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ジュリエットとロミオは敵対する荘園領主の娘と息子という設定。もちろん2人とも韓国名だ。せりふは「三三調」「三四調」など、韓国語に独特の美しいリズム。呉は「元のせりふの音楽性を生かした。役者の体や視線、声などから感じてほしい」と話す。
だから字幕は付けず、台本の全訳を配る予定だ。「字幕は観客を舞台に集中させない。意味を想像して見る方が楽しいですよ」
細かい言い回しは韓国の習慣や常識に合わせて変えた。逐語訳より通じやすいようにしたという。
例えばジュリエットがロミオに「名前を捨てて」と願う場面を、呉は「名前が何なの? バラをワラビと言ったって、香りは良い。名前を捨てて私を選びなさい」などとした。バラは「チャンミ」、ワラビは「チャンアチ」。「チャ」の音をかけた言葉遊びだ。シェークスピアが韻を踏むのに倣った。
呉は言う。「現代人にシェークスピアのセリフは難解だが、400年前は普通の人にも分かったはず。ニュアンスを守り、今の観客が分かる言葉にした」
前半は、さながら舞踊劇。街頭で両家が対立する場面や、2人が出会う舞踏会は、韓国の伝統音楽風の曲に乗せ、踊りや所作を見せる。「若い人の血の騒ぎや過ち、恋の躍動感の表現には踊りが合う」という。
原作で和解する両家は、この舞台では死体の山を築く。報復の連鎖が止まらない現代の暗示のようだ。だが呉は、こう話す。「偽善や無分別で若い2人の死を招いた大人を、皆殺しにした。人の愛を、大切にしてほしいんです」
呉は40年生まれ。84年に「木花」を創設し、伝統芸能を採り入れた舞台で韓国演劇界をリードしてきた。ソウル五輪で開・閉会式を演出し、韓国国立劇場で劇団の芸術監督も務める。
公演は14日、埼玉・キラリ☆ふじみ▽16、17日、東京・シアターX▽21、22日、福岡・北九州芸術劇場。電話03・3275・0220(魁文舎)。
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