伊東四朗と小松政夫、共演ライブがDVDに
2006年09月21日
伊東四朗と小松政夫、くせ者2人が12日間共演した95年のライブ「エニシング・ゴーズ」(鈴木聡作・演出)がDVDになった。「喜劇はドキュメンタリー。映像では半分も伝わらないんですけどね」という伊東に、独特の演劇論を聞いた。
 善人にも悪人にもなれる顔は役者にとって得だ。97年に出した自伝は『この顔で悪いか!』=東京都内で
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石井均一座でデビューして48年の芸歴を重ねた。三波伸介、戸塚睦夫との「てんぷくトリオ」で人気を博した60年代、小松との「電線音頭」でコメディアンとして大ブレークした70年代。映画やドラマで善人も悪役もこなすことのできるキャリアながら伊東は自身を「不器用」という。
「もともと、あこがれてこの世界に入ったんじゃないし、芝居の訓練も受けてないから、自分が芸能人だというのがいまだに不思議。『素人の自分でいいのかな』っていう48年前の気分がまだ残っている」
人づきあいが下手で群れるのが苦手。「誰かとつきあうと、その友人ともつきあうことになる。よけいな気を使う方だから、面倒になっちゃう」
「家を出る時は私なんです。劇場に近づくとだんだん変わって、楽屋入り口で名札を裏返して『伊東四朗』になって、衣装をつけて役柄になる。時間がかかるんです。不器用。だから楽屋入り、早いですよ」
旅芝居の一座の経験もあり、昔気質が残る。「昔の映画スターさんたちは、普段どういう生活をしているかを絶対表に出さなかったから、ありがたみもあった。今は秘密がなくなって楽屋裏まで見せちゃう。『NG大賞』なんて、失敗シーンで番組を作る。でも、NGシーン見た後で、そのドラマちゃんと見る気になれますか?」
喜劇の本質はリアクションだという。「相手のセリフは覚えるな、とよく言われました。相手のセリフを知っていると、知っている目になっちゃう。目が死んじゃう。それは客にもわかるんです。相手のセリフは新鮮な気持ちで聞かなくちゃいけない。もちろん、台本は一度ちゃんと覚えるんだけど、その後で忘れないといけない。それができるのがね、役者なんです」
「初日に戻れ、っていう言葉もある。楽日(公演最後の日)になっても、初日のままでいる。そういうのがいい役者なんだろうな」
小松とは互いに「変な人だねえ」と言い合うという。「エニシング・ゴーズ」の再演を望む声は多いが、2人とも多忙で当分実現しそうにない。
DVD「エニシング・ゴーズ」は竹書房から。
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