舞台美術、たゆまず「勉強」 文化功労者の朝倉摂に聞く
2006年12月06日
この秋、文化功労者になった84歳の舞台美術家、朝倉摂の精力的な活動が続いている。現在は、最新作の「黒蜥蜴(くろとかげ)」(三島由紀夫作、デビッド・ルボー、門井均共同演出)が東京・新大橋のベニサン・ピットで上演中だ。話の端々に舞台への愛情と、たゆまず「勉強する」という姿勢がにじむ。
 朝倉摂
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「文化功労者には、これまで舞台美術ってジャンルがなかったそうなんですよ。初めてだってことに意味があると思って、いただくことにした。舞台美術の意味を分からない人もまだたくさんいるからね」
飾らない口調。スポーティーなファッションとオレンジ色の髪がよく似合う。「かつらじゃないよ」と笑う。日本画家としてスタート。60年代から舞台に活動の中心を置き、演劇、オペラ、バレエ、大劇場から小劇場まで、国内外で多くの仕事をしてきた。
「黒蜥蜴」では、柱や鮮やかな赤い布などを効果的に使って、狭い空間に、美貌(びぼう)の盗賊・黒蜥蜴(麻実れい)と名探偵・明智小五郎(千葉哲也)が対決する華麗な世界を生み出した。
「戯曲通りに本気で飾ったら、(舞台を制作している)TPTは破産しちゃうよ。でも、お金かけるのが能じゃないからね。工夫するのがおもしろいし、自分の勉強になる」
毎晩のように劇場に足を運び、「一生懸命やっているところがいい」と、若い小劇団の公演にも、しばしば顔を見せる。
「他人の仕事を見るのは勉強になる。これから勉強することは、いっぱいありますよ」。年明けには自身が芸術監督を務めるシアター1010(東京・北千住)で「大好きな作品」というE・オールビー作「動物園物語」(1月8〜21日、青井陽治訳・演出)の美術・衣装を担当する。
「黒蜥蜴」は12月20日まで。電話03・3635・6355(TPT)。
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