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悲痛な「悪」暴く 宮本亜門演出「スウィーニー・トッド」

2007年01月09日

 ブロードウェーの巨匠スティーブン・ソンドハイムが作詞作曲したミュージカル「スウィーニー・トッド」(ヒュー・ホィーラー脚本、橋本邦彦翻訳・訳詞)が、東京・日生劇場で開幕し、2月まで各地を巡演する。一組の男女による奇妙で悲痛な復讐(ふくしゅう)の物語。主演は舞台では初共演の市村正親と大竹しのぶ。演出・振り付けの宮本亜門は「作品の魅力を忠実に伝えること」を心掛けたという。

宮本亜門

 舞台は19世紀。好色な判事に妻子を奪われ、無実の罪で流されていた理髪師(市村)がロンドンに戻ってくる。彼はスウィーニー・トッドと名を変え、復讐のため殺人を重ねる。スウィーニーに思いを寄せるパイ屋の主人ラベット夫人(大竹)は、とっぴな方法で死体処理に協力する。

 ブロードウェーでの初演は79年。日本では81年に鈴木忠志演出、市川染五郎(当時)、鳳蘭、市原悦子らの出演で初めて上演された。東京・帝劇でその舞台を見た宮本は「衝撃的だった。人の心の底をえぐり出すミュージカルに驚き、感動した」と言う。

 それから四半世紀。

 「残念ながら現代の僕らは、現実の世界での残酷な復讐に慣れてしまった。このミュージカルが等身大の感覚で理解しやすくなっているかもしれません」

 「善悪を決めつけず、人間の凶暴さや野蛮な興奮を暴き出したのがこのミュージカル。スウィーニーは特別な悪人ではなく、みんなの中に彼のような気持ちがあることを警告する物語でもあります。その痛みを感じて、見てもらえればと思っています」

 ブロードウェー公演もした「太平洋序曲」、「イントゥ・ザ・ウッズ」に続いてソンドハイム作品を演出するのは3本目になる。ソンドハイム本人とも親交が深い。「あの作品は良く出来ているから、誰が演出してもうまくゆくよと言われました」と笑う。

 「確かに実に精密に出来ていて、一音一音に意味があり、それが重なって巨大なカオスが生まれる。音楽の力を信じ、その魅力をきちんと伝えることが第一だと思う。音楽と芝居とが化学反応を起こして生まれる興奮がミュージカルの宝石。ハッピーなだけではない、その高揚を何より大事に考えています」

 武田真治、キムラ緑子、ソニン、城田優、立川三貴、斉藤暁らが共演。

 東京公演は29日まで。2月2、3日長野県松本市▽8〜10日名古屋▽15〜18日大阪▽22〜25日北九州。問い合わせは電話03・3490・4949(ホリプロ)。

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