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〈第6回朝日舞台芸術賞 舞台芸術賞〉段田安則さん

2007年02月01日17時50分

 「どっぷり舞台につかりました」

写真段田安則さん

 06年は5本の舞台に出演した。そのうちの新作・新演出で上演された3本が賞の対象になった。がらりと色合いの違う作品、役柄に次々取り組み、そのすべてで、確かな人間像を描き出した。

 米国の戯曲「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」で演じたのは大学教授。深夜の自宅で妻と激しくののしり合い、招いた若い同僚夫婦を当惑させる。

 「言葉で傷つけ合うことに性的な喜びを感じているような、ちょっと変わった人たち。でも、その中に人間の普遍的なものを感じた。この夫婦は初めから、けんかのふりをしているだけなのかもしれない……などと、いろいろな解釈もできる。名作とはそういうものなんでしょうね。公演が始まってからも発見があり、人物像が腑(ふ)に落ちてゆくのが楽しかったです」

 清水邦夫作、蜷川幸雄演出「タンゴ・冬の終わりに」では、主人公の恋人だった女と結婚した男の役。「主人公が星で自分は星くず、というせりふがありますが、そんな単純なものではないはず」と考え、武骨に見える男に鋭さを加えた。青木豪作の現代劇「獏(ばく)のゆりかご」では、身近にいそうな生活感のある男を演じた。

 「役の振れ幅は大きい方が楽しい。殺人犯にも良い心はあるだろうし、善良な人にも冷たさはあるはず。人間をそう表現するところに魅力がある。だから、いろんな役に取り組みたいと思っているんです」

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 〈だんた・やすのり〉 57年生まれ。81年劇団夢の遊眠社に参加し、92年の解散まで主要な役を演じる。主な舞台に「夜への長い旅路」「おもろい女」「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」など。映画、ドラマでも活躍。

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●受賞あいさつから

 賞をいただくのがこんなにうれしいものだとは思いませんでした。自分を素晴らしい俳優だと思うときもあるんですが、同時にいつも、不安もいっぱいあります。この賞をいただき、お前はまだ役者をやってもいいんだよと背中を押していただいたような気持ちです。ありがとうございました。

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