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三谷喜劇「笑の大学」英国版 3月初めまで現地巡演

2007年02月21日12時01分

 劇作家、三谷幸喜さんの舞台の代表作「笑(わらい)の大学」の英国版「ザ・ラスト・ラフ(最後の笑い)」が作られ、上演が始まった。3月初旬まで英国各地をツアー中で、その後、ロンドンで開幕する予定だ。英国戯曲の日本での翻訳は盛んだが、その逆はあまり多くない。現地の有力プロデューサー、ビル・ケンライト氏が手掛ける完全に商業ベースでの公演というのも、日本作品の海外上演としては異例のことだ。

 「笑の大学」は、昭和15年の東京を舞台に、「非常時に喜劇などけしからん」と考え、無理な注文をつける検閲官と、台本の上演許可を得ようと工夫に工夫を重ねる喜劇作家の攻防を描く。その過程で、検閲官は喜劇の楽しさに目覚め、皮肉にも台本はどんどんおもしろくなる。しかし、心の通い始めた2人を戦争の影がのみ込んでゆくというストーリーだ。

 今回の英国版は、三谷さん自身が日本語のしゃれなどを削って書き直した台本をもとにしている。それを英訳し、英国の劇作家リチャード・ハリス氏が脚色した。舞台は英国に置き換えているが、展開はほぼ原作に沿っている。

 演出のボブ・トムソン氏は、ロンドンで20年もロングランを続けるミュージカル「ブラッドブラザース」などを手掛けたベテラン。映画などでも活躍するマーティン・フリーマン(作家)とロジャー・ロイド・パック(検閲官)の両氏が出演している。

 1月30日にウインザーで開幕し、3月3日まで4都市を巡演。その後、ロンドンの商業劇場街ウエストエンドでのロングランを目指している。上演地の一つチェルトナムの地元紙が「何もかもが異なる2人の男の世界に、われわれはいや応なく引きこまれる」と書くなど、各地で好意的な評価を受けている。

 ウエストエンドでの日本戯曲の上演は、91年に清水邦夫さん作「タンゴ・冬の終わりに」が蜷川幸雄さん演出、英国人キャストで約2カ月上演された例があるが、戯曲だけの「輸出」は珍しい。「ザ・ラスト・ラフ」には、三谷作品を多くプロデュースするパルコも製作に加わったが、日本からの出資が公演の条件ではなかったという。

 三谷さんはまだ英国版の舞台を見に行っていないが、「ハリス氏の英語台本はおもしろくて、英国人が僕の作品をどう受け止めたかを知ることができ、いい経験になった」と話す。

 「オリジナルを持って行ける映画と違い、演劇はどう翻訳しプロデュースするか、演出家と笑いのセンスが合うかなど、クリアしなければならないことも多い。それでも、僕が(米国の)ニール・サイモン喜劇を笑うように、外国の人に僕の作品を『ねっ、おもしろいでしょ?』と見てもらえたらうれしい。そういう挑戦はしてゆきたいと思います」

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 〈メモ〉「笑の大学」は96年に初演(山田和也演出、西村雅彦、近藤芳正)。04年には星護監督、役所広司、稲垣吾郎の出演で映画化された。ロシア語に翻訳され、90年代末から、ロシアのオムスクやモスクワ、ベラルーシなどで上演。カナダ・モントリオールではこの2〜3月、フランス語で上演されている。

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