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差異の中の共生探る 新国立劇場で「きれいな肌」上演

2007年04月18日15時15分

 パキスタン系英国人の脚本家シャン・カーンが新国立劇場に書き下ろし、芸術監督の栗山民也が演出する「CLEANSKINS/きれいな肌」が、18〜28日に東京・初台の同劇場小劇場で上演される。9・11以後の「反イスラム」の空気が、愛憎を抱えた貧しい一家に深い亀裂を生む。栗山は「演劇を通じ、世界の人々と対話できることに意義がある」と話す。

写真「業や妄想が人を破滅に追い込む」と話す栗山民也=東京都内で
写真脚本のシャン・カーン=新国立劇場提供

 母ドッティー(銀粉蝶)と暮らすサニー(北村有起哉)は、サッカーチームをくびになり、イスラム系移民の排斥運動にのめり込む。そこへ薬物中毒だった姉ヘザー(中嶋朋子)が帰ってくる。ベールに身を包み、イスラム教徒となって……。

 カーンは、エディンバラ演劇祭で新作を上演、テレビや映画でも活躍する注目の若手だ。

 「差異の中からどう共生を図るかが、9・11以降の世界のキーワード。移民や宗教を巡る対立と差別の渦中に生きる劇作家が、どんな作品を書くのか興味があった」と栗山。「会ってみると、冗談ばかり言う陽気な男でね。でもそれは、無用な警戒を招かないように無意識に身につけた処世なんだ、と分かった」

 ある衝撃が一家を打ちのめし、物語は投げ出されるように終わる。「物語というより、生活にこびりついたにおいや体温が演劇になったような感じ」

 安アパートで展開される室内劇。激越する弟、うろたえる母、食い下がる姉。短く鋭いセリフの応酬を通じて、社会のとげとげしい空気が流れ込む。

 「会話の粘着度が日本人の劇作家と違う。『ま、いいや』と流さない。憎悪にも似た、えぐるような描き方」。新国立劇場の芸術監督として、チリや中国など海外の作家への新作委嘱に積極的に取り組んできた。「違った土壌の作家と仕事をするのは楽しいですね」

 翻訳は小田島恒志。5250円、3150円。電話03・5352・9999(劇場)。

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