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東宝製作の「マリー・アントワネット」 ドイツへ輸出

2007年04月21日12時54分

 東宝が製作したミュージカル「マリー・アントワネット」が09年1月からドイツ・ブレーメン市で長期公演されることになった。日本初演を手掛けた栗山民也さんが現地キャストを演出する。日本で海外ミュージカルの翻訳上演は盛んだが、その逆はまれ。注目の「ミュージカル輸出」だ。

 フランス革命を通し人間の暴力性を見据えたこの作品は、遠藤周作の小説が原作。東宝がウィーンのM・クンツェ、S・リーバイ両氏に脚本・音楽を依頼した。それを邦訳し、日本のスタッフ・出演者で昨年11月に東京・帝劇で初演。福岡、大阪を経て、新曲も加えて練り上げた舞台が再び帝劇で上演中だ(5月30日まで)。

 当初から海外を視野に入れた作品だが、まず「シアター・ブレーメン」での上演が決まった。プロデューサーのハンス・ヨアヒム・フライさんは「最低5カ月上演し、延長やドイツ各地での公演も考えている」という。「無駄をそぎとり、非常にクリアな栗山演出を私たちの劇場でも」とフライさん。装置デザインなどは日本のプランが生かされるが、そのうえで「新しいドイツ版を作ってほしい」と期待する。

 80年代以降、英米産の大作ミュージカルの多くは、演出、装置や衣装などもオリジナルと同じ形で世界各地に発信されてきた。英語圏の洗練されたミュージカル文化がダイレクトに伝わるが、上演側の工夫には制限がある。日本でも数多くの舞台がこのやり方で上演されている。

 対照的なのは近年、非英語圏に広がるウィーンミュージカル。その代表格でクンツェ、リーバイ両氏の作「エリザベート」は、上演ごとに演出はもちろん台本や歌も変わる。自由度が大きく、作品が進化する一方で「決定版」はない。

 英米スタイルとウィーン流のこの違いは、グローバル化とローカル主義に例えることもできよう。その後者に栗山さんらが中核を担う「マリー〜」が加わる。日本演劇人の海外との一つのかかわり方としても、この「輸出」は興味深い。

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