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V6の坂本昌行がボスニア兵に 「ノー・マンズ・ランド」

2007年06月08日15時50分

 V6の坂本昌行が90年代のボスニア紛争下の兵士を演じる「ノー・マンズ・ランド」(ダニス・タノビッチ作)が19日まで、東京・新大久保の東京グローブ座で上演されている。アカデミー外国語映画賞を受けた異色の反戦映画を、鈴木勝秀の演出・上演台本で日本初舞台化した。「なぜこんな戦争が必要だったのか? 自分が感じた疑問を観客のみなさんと共有したい」と坂本は語る。

 最前線の中間地帯(ノー・マンズ・ランド)の塹壕(ざんごう)内でにらみ合うことになったボスニア兵チキ(坂本)とセルビア兵ニノ(内田滋)。奇妙な呉越同舟が続く中、地雷を仕掛けられて身動きできないボスニア兵ツェラ(市川しんぺー)を救うため、2人は協力しはじめる。

 原作の監督・脚本を手がけたタノビッチは自らもボスニア軍に加わりドキュメンタリーを撮影。初の長編劇映画となった本作では、不条理劇のようなタッチで、戦争のむなしさを苦い笑いにくるんでいる。

 「楽しいだけの作品ではないし、映画と違って俳優の肉体だけで戦場の空気を表現しないといけない。とても高い壁だが、挑戦しがいがある」。けいこ前から多くの資料を読んだ。「それでも分からないことだらけ。ただ、宗教や言葉、生活のルールが増えるごとに、民族間の分裂や憎しみも激しくなったのでは」

 紛争に手をこまぬいていた国際社会を象徴する存在として、無力な国連軍兵士ジェーン(浅野温子)も登場する。坂本は「あのころ安穏とニュースを見ていた自分を思い出す。この作品に出あい、民族浄化や内戦という言葉の重さと痛みを初めて切実に感じた。敵同士でも、どんなひどい状況でも、ふと人と人の心がつながる瞬間はある。そう信じて演じたい」と語る。

 「フットルース」「ボーイ・フロム・オズ」などの主演作で鮮やかな存在感を見せ、ミュージカル俳優としても期待される存在だ。

 「芝居と歌と踊り。ミュージカルの三要素のうち、基本はやはり芝居。たとえ踊りがうまいと共演の方にほめられても、演技がダメなんだなと落ち込む。演技しか頼るもののない今回は、しんどい分だけ役者として成長もできるはず」

 8500〜5500円。チケットスペース(03・3234・9999)。21〜24日、大阪のシアター・ドラマシティでも上演。

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