現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>演劇> 記事 野田秀樹「THE BEE」 「ダークで深い喜劇」2007年06月21日16時09分 野田秀樹が昨年ロンドンで作った舞台「THE BEE(ザ・ビー)」が東京で上演される。ロンドン初演版の来日と、その日本語版という二つのバージョンでの公演だ。ロンドンで主役の男性会社員を演じた女優キャサリン・ハンターに作品への思いなどを聞いた。
ハンターは「ヒデキのことは人間としてとても好き。一緒に仕事をしたいと思っていた」と話す。 「ザ・ビー」は筒井康隆の短編小説「毟(むし)りあい」を原作に、野田とコリン・ティーバンが共同で脚本を書き、野田が演出した。 脱獄囚・小古呂に妻子を人質にされた善良な会社員・井戸は、事件が解決しないのに業を煮やし、逆に小古呂の家に立てこもり、彼の妻子を虐待し始める。 ハンターはかつて「リア王」を演じ、来日公演もした。「英国で女優が男性を演じるのは珍しいですが、私は何度かやっているので、井戸役に抵抗はありませんでした。じゃあ、小古呂の妻はヒデキがやってねと提案し、自然に決まりました」と言う。 「現代人の心を動かす感覚と、神話のような大きな物語が一体となっているのがヒデキの戯曲の特徴。『ザ・ビー』は、初めのうちは喜劇的ですが、それがどんどんダークに、深くなってゆく。報復の連鎖、テロリズムといった現実的で政治的な要素がある。ロンドンの初演では、様々なレベルで観客に訴えかけたと思います」 野田演出は「勇敢で寛大」だという。「明確なビジョンとプランを持っているのだから、『こうしなさい』と指示すればすむのに、俳優の想像力を刺激し、その提案を『やってみよう』と試して、一緒につくる姿勢を大事にする。英国ではとても珍しい、素晴らしいやり方だと思います」 「私は自分が演出をする時、言葉を使わずに内容や感情がどれくらい観客に届くかを考えています。今回は、英語のせりふが直接伝わりにくい日本の観客に、自分の演技がどのように受け止められるかにも興味を持っています」とも語る。 ◇公演は三軒茶屋のシアタートラムで。井戸役を野田が演じ、秋山菜津子、近藤良平、浅野和之が共演する日本語版は22日〜7月9日。英語版は7月12〜29日。美術、照明なども両者で異なる。6500円。NODA・MAP(03・5423・5901)。 PR情報 |