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イスラエルのダンスカンパニー 「動く絵本」、幻想的な舞台

2007年11月06日15時20分

 男の人魚にあやつり人形、長い脚で歩くカニ人間……愛らしくも不可思議な生き物にダンサーたちが扮し、「動く絵本」のような幻想的な舞台で人気のイスラエルのダンスカンパニー「インバル・ピント・カンパニー」が、9日から、彩の国さいたま芸術劇場などで、新作「ヒュドラ」を上演する。同劇場とイスラエル、スイスの共同制作で、大植真太郎と森山開次が、ダンサーとして参加する。

 グラフィックデザインを学んでからダンサーに転じたインバル・ピントと、夫で俳優のアブシャロム・ポラックが、94年に結成したカンパニー。経歴を生かし、振り付け、演出、衣装や装置も2人が手がける。

 日本でも人気を博した前作「ブービーズ」「オイスター」は一見、邪気のないおとぎ話だ。だが、見ているうちに切なくなる。幼い頃に抱いた漠然とした不安や希望といった感情の原形が、呼び覚まされるように感じるのだ。

 「怪物の姿をしていても、実は人間だから」とポラック。「見る人によって違って見えると思います」と、ピント。「想像力の窓をつくるんです。見る人がそこを通り抜けて、層のように積み重なったたくさんの物語を、自分の人生や感受性に従って解釈してもらえるように」

 題名の「ヒュドラ」はギリシャ神話の怪物で、「背骨のない生き物がよりどころを探す」というテーマの象徴だという。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」も下敷きにした。「詩的な精神が作品のエネルギーになった」とポラックは話す。

 イスラエルは、国の主催するダンス見本市が毎年開かれ、現代舞踊のレベルが高い。「熱い国だからでしょう」とピントは言う。「色々な背景のある人が集まっている国だから、個性と情熱がなければやっていけない。体の中に表現欲がたぎっている状態」

 大植は2人の作品を「(カラフルで)情報量が多いカラーテレビ」とやや距離を置いて見ながら、「納得いくまで考えをぶつけられる」と手応えを感じる。森山は「肉体に限定しないで、道具を使って遊びながらつくる過程がおもしろい」と話す。

 9日午後7時半、10、11日同3時、彩の国さいたま芸術劇場。6000円と4000円、学生2500円。問い合わせは048・858・5511(同劇場)

 14日午後6時45分、愛知県芸術劇場。当日6500円と4500円、学生3000円。問い合わせは052・971・5511(同劇場)

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