現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>演劇> 記事 日本先行に手応え 「テイクフライト」のワイドマン2007年12月22日11時29分 宮本亜門が演出した新作ミュージカル「テイクフライト」(天海祐希、城田優ら出演)が、国内を巡演している。米国の制作チームが中心になって作った舞台を、日本で翻訳、先行上演する珍しい企画だ。作り手たちは、日本での成果を踏まえてさらに練り上げ、ニューヨーク・ブロードウェーでの成功を目指す。スタッフの一人で、脚本家のジョン・ワイドマンに聞いた。 ワイドマンは、S・ソンドハイム作詞作曲「太平洋序曲」や、歌のない異色作「コンタクト」といった鋭い個性を持ったミュージカルの脚本で知られる。 空を飛ぶことに夢と命をかけた人々を描いた「テイクフライト」は、デイビッド・シャイヤ、リチャード・モルトビーJr.が5年前から歌を作り始め、その過程で助言を求められて、本格的に脚本に参加することになったという。 「ミュージカルの脚本の書き方は、せりふ劇とは違う。物語を素早く展開させ、それでいて矛盾を感じさせないようにしなくてはならない。歌が観客の頭に自然に入るようにする必要もある。せりふを書くことよりも、全体をどう構成するか、歌をどう効果的に聞かせるかにより注意を払った」と語る。 作詞・作曲家の最初のプランは、登場する3組の飛行家の挿話が独立していた。それをワイドマンは場所も時間も異なる三つの物語を融合して一つの流れを作った。 「時空を超えるのが劇場の魔法ですからね」 日本公演は11月末に東京で開幕。北九州を経て、21日まで名古屋・中日劇場で上演中。来年1月3〜5日には大阪・梅田芸術劇場で上演される。 「日本の舞台にはとても感銘を受けた。ブロードウェー上演にふさわしいスケール感のある作品であることも確認できた」と手応えを語る。米国での上演は英語版になるが、日本公演でわかった脚本の未解決部分などをどう修正するか、検討を始めているという。 ニューヨークに先駆けて積極的に他都市で公演するのは、ブロードウェーの舞台製作費が高額なためだ。 「興行はギャンブルのよう。失敗すれば巨額の投資がゼロになる。だから長期のトライアウト(試演)をして観客の反応を見ながら成功の確率を上げる必要がある」 「30年前なら、ボストンなどで短期に試演し、すぐ手直しをして、ブロードウェーで上演した。観客も理解があり、正式開幕すると、もう一度見に来てくれた。今では、サンフランシスコやカナダでかなりの期間公演するのが一般的。試演といっても観客が求めるレベルは高く、その時点で相当の完成度を目指さねばならない。今回はそうした動きが日本に広がった例ともいえるでしょう」 PR情報 |