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平(74歳)・蜷川(72歳)コンビで「リア王」

2008年01月10日15時14分

 平幹二朗が、蜷川幸雄演出「リア王」に主演する。70年代後半から数々の名舞台を生んできたコンビが、久しぶりに取り組む新しいシェークスピア劇だ。平は74歳、蜷川は72歳。それぞれ、自身の年齢を思いながら、老王リアの怒りと狂気が吹き荒れる壮大な悲劇に向き合っている。

 引き締まった体、張りのある声。平と「老い」とは無縁に見える。

 しかし、本人は「肉体的な衰えを自覚せざるを得ません」と語る。蜷川演出のシェークスピア劇は再演を除けば87年に初演した「テンペスト」以来だ。「20年前は、俳優としてかなりいい時期だったと思う。そのイメージが残っている蜷川さんの期待に応えられないとしたら、悔しいし、恥ずかしいし、負けたことになる。この思いが今の僕をかきたてています」

 「初めは、演じる上で自分の年齢を利用できる部分があるかもしれないと思っていたら、とんでもなかった」と笑う。「蜷川さんが求めるのは老人の軽さや惨めさではなく、激しいいらだちや、自然や神に闘いを挑む強さ。それを、感情におぼれず、論理的に表現してほしいという。今までで一番ハードな役のような気がします」

 この公演は、彩の国さいたま芸術劇場の「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の一環だ。このシリーズで蜷川は、99年に英国人俳優による「リア王」を演出している。

 「その時から日本人俳優で上演したいと思っていた。国際的に評価されている平さんに出てもらうことで、日本人がシェークスピア劇を翻訳して上演する根拠は何か、それを考えることができると思う」と蜷川は話す。

 リアの悲劇の発端は娘3人への国土の分割。蜷川は「若い頃は、リアの振る舞いを権力者の傲慢(ごうまん)と理解していた。しかし、自分がこの年齢になると、老人の孤独と不安が理解できる」と言う。父への愛を言葉で飾ることを拒んだ末娘コーディリアも潔癖なだけでなく、「若さゆえに想像力と優しさが足りなかったのだと感じるようになった」。

 その後、父は荒野をさまよい、娘は外国に行き、終盤に再会する。

 「旅を経て、老人と若者が、お互いを理解し合う場所に初めて到達する。それが見える舞台にしたいと思う」

 コーディリアに内山理名、姉たちに銀粉蝶、とよた真帆。池内博之、高橋洋、山崎一、吉田鋼太郎、瑳川哲朗らが出演する。松岡和子訳。

 さいたま公演は19日〜2月5日。問い合わせは048・858・5511(劇場)。2月22〜24日に大阪でも公演する。

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