現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>演劇> 記事 〈第7回朝日舞台芸術賞 舞台芸術賞〉牧阿佐美さん2008年02月11日10時48分 新国立劇場10年の節目に取り組んだのが「椿姫」。19世紀のパリ社交界で花形娼婦(しょうふ)だった女性をモデルに、デュマが書いた小説をバレエにした。これまで悪役として描かれることが多かったヒロインの恋人や彼の父親を、市井の迷える人と見立て、揺れ動く感情を繊細なパ・ド・ドゥで表現した。
一番の問題は、音楽をどうするか、だった。考えた末、「椿姫」と同時代を生きたフランスの作曲家ベルリオーズの名曲を、バレエ用にアレンジすることに。「現代風に読み換えるよりも、作品が示す時代を丁寧に描き出した方が、かえって登場人物の感情が近く感じられるように思うんです。舞台表現って、理屈じゃない」 音楽の分かるダンサーを育てたい、との思いを持ち続ける。米国留学の際、帝政ロシア時代の伝統をくむダンサーたちが、どんな環境での演奏にも自在に対応する姿を見てきた。 「日本のダンサーは技術だけなんて言われるのは、音楽が聞こえていないから。自分の中を音楽が流れ、それを聴衆に届けて初めて踊ったと言える」。酒井はなや本島美和といったソリストがその思いを受け継ぎ、才能を開花させた。 来月、ワシントンで新国立バレエ団初の海外公演に挑む。「バレエは今や世界に開かれた芸術。胸を張って、日本のバレエを世界に見せてきます」 * まき・あさみ 日本のバレエ界の草分け、橘秋子の長女。母と「牧阿佐美バレヱ団」を設立。60年、日本人で初めて外国人ダンサーと全幕バレエ「コッペリア」を踊る。99年から新国立劇場の舞踊芸術監督。新国立劇場バレエ団は第4回舞台芸術賞を受けた。 PR情報文化・芸能
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