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ザルツブルク音楽祭・総裁が来日 運営に様々な工夫

2008年03月25日10時59分

 ザルツブルク音楽祭が制作したモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」日本公演(朝日新聞社など主催)を前に、オーストリアから同音楽祭のヘルガ・ラーブル・シュタットラー総裁が来日した。世界中を回って同音楽祭の知名度を上げ、聴衆を増やすことに精力を注ぐ運営のトップ。「私は音楽祭の外務大臣」と語る総裁に、運営の工夫や「フィガロの結婚」の魅力などを聞いた。

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 音楽祭が開かれる夏になると、人口15万人のザルツブルクの街は音楽ファンであふれる。昨夏は約24万人が訪れた。シュタットラー氏はこの街に生まれ育ち、政治や経済担当の新聞記者を経て国会議員になる。総裁に就任した95年以降、ネスレやアウディなどメーンスポンサーを次々と獲得、たちまち手腕を発揮した。

 音楽祭の収入は、チケット売り上げが52%、国や州、市、観光協会からの公的支援が25%、スポンサーの支援が9%で、残りは放送権料やDVDの売り上げなどだ。「スポンサーをもっと増やすのが大切な仕事」と強調、自ら世界各国へ営業に出かけて行く。

 もちろん、音楽面の充実ぶりがあってのこと。カラヤンをはじめ、ジェラール・モルティエやペーター・ルジツカ、そして現在のユルゲン・フリムといった個性豊かな芸術監督らが、歴史に残る名演や、時に物議を醸す刺激的な作品を送り出してきた。

 今回の「フィガロの結婚」もその一つ。ルジツカが任期最後の06年に仕掛けた演目で、演出は人気のクラウス・グート。「登場人物を1人増やしたのが大きな特徴。人間の複雑な心理と感情の起伏を階段で描き、様々な感情のひだが絡み合う様子を強調している。日本の方にも受け入れてもらえるのでは」と自信を見せる。

 いま、力を入れるのは若い聴衆の掘り起こしだ。そのため青少年音楽キャンプを企画し、舞台裏ツアーや「魔笛」「青ひげ公の城」の特別版を見せるなどする。一方でゲネプロ(総げいこ)に老人ホームのお年寄りを招くなど、地元への配慮も忘れない。

 「どうしてあんな演出なの?」「なぜこんなにチケットが高いんだ」――。総裁はザルツブルク市民から、よく話しかけられるという。見知らぬファンとの率直な会話もまた、総裁の仕事の一つ。すでに世界の頂点にありながら、88年の伝統に寄りかかることなく「私たちは小さな街の音楽祭で終わるつもりはない」とあえて言うあたりに、進化を続ける強い意志を感じた。

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 「フィガロの結婚」の来日公演は次の通り。▽4月17日午後5時半、名古屋・愛知県芸術劇場大ホール▽20日午後3時、大阪・フェスティバルホール▽24、25日午後6時、東京・東京文化会館。

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