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イケメン舞台「テニミュ」脚光

2008年04月03日11時06分

 漫画が原作で無名に近い男性だけが出演する異色のミュージカル「テニスの王子様」(「テニミュ」)が若い女性に人気だ。男優だけの劇団スタジオライフも漫画や小説を舞台化し、女性ファンを集める。2次元から飛び出した「男子だけの舞台」は、ジャニーズとは異なる、イケメンの若手スターが生まれるもう一つの場となっている。

写真伊礼彼方
写真姜暢雄

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 「テニミュ」の原作は「週刊少年ジャンプ」に連載された許斐(このみ)剛(たけし)の人気漫画。青春学園(青学)テニス部と他校との対戦を描く中学校の部活動ものだが、現実離れした「必殺技」が多用される劇的な展開が特色だ。

演技力は問わず

 発案者の片岡義朗プロデューサーの本業はアニメプロデューサー。「全配役をオーディションで選ぶが、本人の知名度や演技の巧拙は問わない。どれだけ原作の人物のイメージに近いかを重視する」と語る。新鮮さを保つため、青学のキャストは約1年半ごとに入れ替わる。

 アニメにもなったこの人気作がミュージカル化されたのは03年春。今年2月までで計約42万人を集める大ヒットとなった。観客の7割を10〜20代の若い女性が占めるが、新聞の劇評などではほとんど取り上げられたことがない。

 演劇制作会社の社長でもある松田誠プロデューサーは「恋愛と死という演劇の二大テーマを扱わないうえ、俳優の技量も未熟。規格外の作品なのにうまくいったのは、無名の彼らが成長する姿が劇中のドラマと重なったからでしょう」と解説する。

 「演劇界の異端」が、次第に新しいスター養成の場になってきた。映画版「テニスの王子様」にも出演した城田優(22)は現在、ドラマやミュージカルなどで広く活躍している。

 06年から出演している伊礼彼方(いれい・かなた)(26)は夏の東宝ミュージカル「エリザベート」で皇太子ルドルフ役に抜擢(ばってき)された。劇団スタジオライフが2、3月に上演した「カリフォルニア物語」(吉田秋生原作)にも出演した。

 「テニミュ」以前はバンド活動をしていた伊礼は「自分たちのライブでは100人集めるのも大変だったのに『テニミュ』には毎回千人以上の観客が来てくれる。俳優になりたいという夢を現実に近づけてくれた」と話す。

 元祖「イケメン養成所」といえるのが、85年旗揚げのスタジオライフだ。萩尾望都の漫画「トーマの心臓」やトーマス・マンの小説「ヴェニスに死す」などを耽美(たんび)的に舞台化し、20〜30代女性の支持を集めてきた。ファンクラブの会員数は4千人に達する。男優が女性役も演じるため「男宝塚」の異名をとるが、姜暢雄(きょう・のぶお)(29)や山本芳樹(34)ら、劇団外の舞台で活躍する所属俳優も増え、演劇界での存在感を増している。

成長見守る気分

 素人に近い俳優に、なぜ女性たちはひかれるのか。一昨年「テニミュ」を初めて見て以来、すっかりはまってしまった漫画雑誌編集長の上村晶さん(33)はその魅力について、「公演を重ねるたびに見違えるように上達していく姿に感動し、その成長の軌跡を一瞬たりとも見逃すのがもったいなくなる」と話す。

 女性が登場せず、恋愛とは無関係な筋書きもポイントだという。「青春と汗と友情のスポ根ドラマ。みんなで懸命に舞台をつくりあげる姿とオーバーラップして、校舎裏で部活を応援する女子生徒のような気持ちになる」そうだ。

 「イケメン」が束になって登場する作品は舞台に限らない。テレビでは、若手を起用した特撮ヒーローものや深夜ドラマが定着。昨夏、高視聴率だった「花ざかりの君たちへ」をはじめ、今年4月スタートの「ごくせん」など学園ものも増えている。

 上村さんはイケメン男子が集団で活躍する舞台、映画やドラマを取り上げた書籍『TEAM! チーム男子を語ろう朝まで!』(太田出版)を編集した。「恋愛の対象として見ている女子がいる一方で、男の子同士の馬鹿騒ぎとか口喧嘩、熱い友情を見つめていたいという女子も増えてきている」と分析している。

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