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大宮エリー 舞台手がける コメディー創作・演出

2008年05月08日10時32分

 映画監督、脚本家、放送作家、CMプランナーに作家……。多彩な活動で注目されている大宮エリーが「演劇大宮エリー第一回公演」と銘打ち、舞台の作・演出にも乗り出した。「とにかく観客に楽しんでもらいたい。自分のすべてをライブ空間でもろ出ししたつもり」と語る。

写真「俳優さんには、ふだんのイメージと違う役をあててみた」と語る大宮エリー=郭允撮影

 東大薬学部を卒業後、電通に入社(その後フリーに)。「ミンティア」「ネスカフェ」のCMやNHKのコント番組「サラリーマンNEO」が人気を呼んだ。06年には2日間で撮影した「海でのはなし。」で映画監督デビュー。今春、「週刊文春」の連載をまとめた初のエッセー集『生きるコント』も刊行された。

 「次代のマルチクリエーター」との期待が高まるが、けいこ場で会った本人は「マルチとか才人と呼ばれるのが一番苦手。いきあたりばったりで未知の世界に飛び込み、苦しんでばかりいる不器用者なんです」と笑う。

 東京・初台の新国立劇場で上演中の「GOD DOCTOR」は、5人の研修医(片桐仁、石田ひかり、松村雄基、遠山景織子、山下真司)が、不幸な患者(板尾創路)を幸せにしようとあの手この手を繰り広げるコメディーだ。「1カ月もかけて好きなものを作っていいと言われたのは初めて。写真を撮るような瞬発力から絵を描くようなじっくり型に、創作手法も変わったような気がします」

 昨年大宮が総合演出を手がけたドラマ「おじいさん先生」を企画した大人計画の長坂まき子社長は「俳優そのものをどう生かすかを常に考えて演出していた。舞台向きだと思った」と振り返る。

 創作の原点は、大阪から東京に引っ越した少女時代にさかのぼる。「関西弁をからかわれ、ずっと独りでお弁当を食べ、想像の世界で遊んでいる孤独な子でした。そんな私でも30歳を過ぎて、少しは人を喜ばせることができるようになったのかな」。酒場で記憶をなくしたことは数知れずという豪胆な面と、謙虚で繊細な素顔が不思議に交じり合う。「どんなジャンルでも、喪失感と幸せの両面を、笑いを通じて伝えたい」

 東京公演は18日まで。22・23日に兵庫県立芸術文化センターでも上演。問い合わせはハウフルス(03・5411・0855)。(藤谷浩二)

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