好調「純情きらり」、理由は「文系男子」「普通の人生」
2006年09月21日
来週最終回を迎えるNHKの朝の連続テレビ小説「純情きらり」が、依然好調だ。18日には24.2%と4月の開始以降の最高視聴率を記録。これまでの朝ドラと何が違ったのか。
「きらり」は昭和の戦前戦後を生きた女性、桜子(宮崎あおい・崎はつくりの大が立)の物語。原案は津島佑子著「火の山――山猿記」だ。小説に魅了された脚本家の浅野妙子さんが大幅に展開を変更。音楽好きでいちずな性格の主人公桜子と、二人の姉の恋愛物語が描かれる。
初回の視聴率こそ17.7%でワースト2位とふるわなかったが、このまま好調に推移すれば、平均視聴率は6作ぶりに19%台が期待できそうだ(ビデオリサーチ、関東地区調べ)。
人気の理由について「男性陣が魅力的。彼らを目当てに朝ドラを見たのは、『あすか』の藤木直人君以来」というのはドラマ好きの詩人、白石公子さん。
桜子の波瀾(はらん)万丈の人生にかかわる男性は3人いるが、だれもが格好良かったという。これほど恋するヒロインも、男性陣が評判になる朝ドラも珍しい。
最初の相手は下宿人の教師、斉藤(劇団ひとり)。次は結婚する味噌(みそ)蔵元の御曹司、達彦(福士誠治)。そして、達彦の出征中に、姉の夫で画家の冬吾(西島秀俊)に気持ちが傾く。
「女の人とちゃんと向き合う優しい人ばかり。物静かで文系男子のようなふるまいは、最近では新鮮。揺れる気持ちが描かれたのもよかった」という。
浅野さんは、「ときめきのないドラマは物足りないと思って。男性が優しくなってしまうのは、自分の理想が入っちゃうから」と笑って振り返る。
久々に戦時中が舞台だったことも人気の一因、と指摘するのは、映画評論家の樋口尚文さん。戦時中が舞台になったのは99年の「すずらん」以来だ。
「意のままにならない人生を送らざるを得なかった人々の物語が、何不自由なく生きられる現在の視聴者に、非日常の劇的な気分を感じさせている」と語る。
宮崎、寺島しのぶ、井川遥の三姉妹や男性陣、室井滋、戸田恵子ら「配役がゴージャス」なことも見応えにつながったという。
朝ドラの主人公の多くには「やりたいことがぶれない」印象があるが、桜子はやりたいことが「その都度ぶれる」人だった。
「何かを成しとげた女ではなく、何もなさずに一生を終える女の“人生そのものの輝き”を描きたかった。女性は、結婚や育児と“やりたいこと”の間で揺れる人が多い。そんな普通の人生に朝ドラで光を当てたかった」と浅野さん。
最終回。朝ドラではヒロインが前向きな姿をみせて終わる印象があるが、果たして今回は……。浅野さんが最も思いを込めて描いたラストが待っている。
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