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映画にTVに「踊る」スピンオフ もとの作品の勢い活用

2006年10月13日

 おおもとの作品と同じキャラクターを起用するなどして関連作品を次々と繰り出す映画・テレビの製作手法スピンオフ。米国映画にも例はあるが、「踊る大捜査線」を幹にしたフジテレビの得意技となり、28日にはスピンオフ4作目のテレビドラマの放送が予定される。元祖のテレビ放送から年明けで丸10年。ファンの関心は3作目の映画はあるかに向く。

 「踊る大捜査線」は97年1月にスタート。織田裕二が演じる主役の青島刑事をはじめ、上司の室井(柳葉敏郎)、後輩の真下(ユースケ・サンタマリア)といった面々の活躍を描く異色の刑事ドラマだった。

 同年3月まで全11話が放送された後、「テレビスペシャル」、「THE MOVIE」(98年公開)、「THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年公開)に進化したほか、二つの流れのスピンオフが登場した。

 一つは真下を主役にした映画「交渉人・真下正義」(05年5月公開)と、真下のパートナーだった木島刑事(寺島進)を主役に据えたテレビドラマ「逃亡者・木島丈一郎」だ(05年12月放送)。もう一つは室井を主役にした映画「容疑者・室井慎次」(05年8月公開)で、今回のテレビドラマ「弁護士・灰島秀樹」が続く。

 八嶋智人が演じる灰島は、映画「容疑者」の中で室井の敵役となった弁護士だ。今回は環境保全訴訟を舞台に、住民や政治家を相手にらつ腕を振るう。

 スピンオフは、米国映画では「スター・ウォーズ」の「イウォーク・アドベンチャー」、「バットマン」の「キャットウーマン」などがあるが、実写邦画ではあまり例がない。

 しかも、「交渉人」が興行収入42億円、「容疑者」が同38億円と昨年の実写映画の1、3位を占め、「逃亡者」も15.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の好視聴率をとり、一本立ちした作品に見劣りしない。

 ヒットの源はおおもとの「踊る」シリーズの圧倒的な「力」にある。「THE MOVIE」は興収101億円。「THE MOVIE2」の173億円は、実写邦画の興収としては、「南極物語」を抜いて史上最高の数字をあげた。

 その要因として、ユースケ、柳葉、寺島、八嶋といった個性派のバイプレーヤーをドラマの中心に据えたこと、脇役に焦点をあてたスピンオフで新たなファンを開拓するという狙いがあたったことなどがある。

 そんなに成功するのなら他のテレビ局が追随しそうなものだが、そうなっていないのは、おおもとの作品のパワーの問題だ。

 「THE MOVIE3」はあるのか。

 「踊る」シリーズの生みの親で、スピンオフの仕掛け人でもある亀山千広・フジテレビ映画事業局長は「『ある』とも言えないし、『ない』とも言えない」。

 「ムービー1からムービー2まで5年かかった。織田君と僕たちの気持ちがまた盛り上がって、キャラクターを再構築できるかどうか。でも、(故いかりや長介さんが演じてきた青島刑事の相談役の)和久さんがいないのは正直つらい」

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