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秋のテレビドラマ 「実は身近」な社会派2作品好調

2006年11月04日

 10月から始まった秋のテレビ新作ドラマが全般的に好調だ。ヒット作の続編、人気映画のドラマ化、シリアスなテーマを選んだ意欲作とバラエティーに富んでいる中で、「Dr.コトー診療所2006」(フジテレビ系)と「14才の母」(日本テレビ系)は視聴率も好調で、内容も評価が高い。その理由はどこにあるのだろうか。

 今期のドラマで唯一、第3話まで視聴率20%以上(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同じ)を続けているのが「Dr.コトー」。好評だった3年前の連ドラ、一昨年の単発を受けた続編だ。

 今回は青年医師コトー(吉岡秀隆)が南海の孤島で離島医療に情熱を注ぐだけではない。コトーやコトーを取り巻く人間の内面の葛藤(かっとう)、格差問題やドメスティックバイオレンスといった社会的なテーマがより色濃く映し出される。ただ脚本(吉田紀子)と演出(中江功ら)の工夫で南の島らしいゆったりとした流れを残し、見る者に窮屈感を与えないようにしている。

 一方で、中学生の妊娠という挑戦的なテーマを扱った「14才の母」も今期一番の話題作だ。「GOOD LUCK!!」「白い巨塔」などを手がけた井上由美子が脚本を担当し、これまで20%近い高視聴率をキープしている。

 村瀬健プロデューサーは「予想を超えたヒットに正直、驚いている」と話す。企画のきっかけは、この1年で子供の命が大人の都合で奪われる事件が相次いでいたこと。「命は誰のものなのかという問いかけを、命を授かった時に、授かった者がどう扱うかを通して問いかけたかった」という。だが、放送開始前には「なぜこんなドラマをやるんだ」といった苦情が多数寄せられていた、とも。

 「コトー」も「14才」も、共通するのは生と死といった重たいテーマを、正面から扱っている点だ。

◆際だつ設定

 「『次はどうなる。次は?』と常に視聴者を駆り立てているところがヒットの源泉」とフジテレビドラマ制作センターの石原隆室長は両ドラマを分析する。最近のドラマでは、単なる等身大の主人公による物語は受け入れられにくくなってきたともいわれる。「漫画で描かれるような際だった登場人物のキャラクターや作り込んだ設定の上で、どれだけ共感を集める物語を作り上げられるかどうか」が最近のヒット作品を左右しているという。

 「コトー」の場合、舞台は孤島の診療所という非日常の世界だが、描かれるのは身近な医療であり、老いや子育ての問題だ。

◆珍しくない

 「14才」も、中学生の妊娠は27年前の金八先生以降、「封印」されてきたショッキングなテーマだが、村瀬プロデューサーは「産婦人科医によると、現実社会で中学生の妊娠は珍しくないという。14歳という設定は、出産後も義務教育中ということ。本人がいくら覚悟を決めても、周囲の大人も追いつめられざるを得ない状況に置くことが必要だった」と語る。

 TBS編成部の伊佐野英樹担当部長は「テレビドラマは、時代の空気をどう反映させるかが肝心だ。ただ現実の世界で驚くようなことばかり起きる時代に、どこまでくみ取ればいいのかは悩ましいところ」と話している。

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