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「華麗なる一族」ツッコミどころ満載 思わぬ脇役が話題に

2007年02月24日

 今期のドラマで視聴率トップを走るTBS系「華麗なる一族」。権謀術数巡らす政財界と愛憎渦巻く財閥一家の物語を、豪華なキャスト陣で重厚に描いたドラマとして評判が高いが、ネットを中心に、思わぬ“脇役”が主役並みの話題を集めてもいる。なぜ、物語とは別の人気が発生したのか。

 スタート当初、最も注目されたのが、万俵家の池に主のごとく生息する黄金色のニシキゴイ、その名も「将軍」だ。実は広島県の企業が作ったパソコンによる無線操作ロボット。撮影に入る前、原作者の山崎豊子さんが脚本を読んで「コイをこれほどきちんと描いてくれたことはない」と喜んだといい、スタッフが映像化のためにネットを駆使して探し出した。

 また、鉄平(木村拓哉)の父・大介(北大路欣也)の屋敷にある祖父・敬介の肖像画に目を奪われた人も多いだろう。鉄平に対する大介の複雑な思いを暗示的に示す大事な小道具だ。

 「老けた木村さんのイメージで」という注文で元TBS美術部員の法廷画家が描いたという。だが、鉄平というかキムタクに余りにも似ているがために、ドラマから現実に引き戻される感覚に襲われる。

 さらに視聴者を当惑させたのが、狩猟に出かけた鉄平らの前に現れるイノシシの不審?な動き。実は本物を使っているのだが、安全のため鎖につながれた状態で撮影され、撃たれて倒れるシーンなどはCGで処理されているのだという。

 これらの「小道具」は、何度も登場するため、ネットのファンサイトなどで、ちょっとした騒ぎになっていった。

 今回のドラマ化にあたって、瀬戸口克陽プロデューサーらは、時代背景と織り込むメッセージなどの整合性を考え、原作通り60年代を舞台にした。そこで問題になったのは「40年後の日本人が見ても納得できる40年前の日本をどう作るか」というテーマだった。

 美術プロデューサーの青木ゆかりさんは「万俵家の邸宅などを当時の規格で作ってしまうと、現代の感覚ではどうしてもこぢんまりしてしまう。郷愁ではなく、イキイキとした昭和40年代を表現するために、あえて時代考証とは合わない規格を使わざるを得なかった」という。

 「庶民感覚の延長線上のセレブ感ではなく、誰にもまねできない堂々たる豪華さ」を追求した結果、60年代のリアルさを超えてしまった面もあるらしい。

 瀬戸口プロデューサーは視聴者の反応について「もちろん狙ったものではないです」と苦笑いする。ただ、「視聴者の目線が高くなった分、これまでの感覚なら及第点な手作りのセットや小道具などが、かえって目立つ結果になったのかも知れません」。

 TBSによると、「華麗なる一族」は、業界的にはテレビドラマを見ない層といわれる35歳以上の男性視聴者が毎回、25〜30%を占めているという。この層は番組のサイトなどに熱心な長文の感想も送ってくるという。一方、若い視聴者は、「小道具」に対し反応する書き込みが多いとか。

 「万俵家を中心としたあの世界観は、みな『おしゃレトロ』に映る」と話すのは地元・阪神間で生まれ育ったマーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさん(46)。「あの時代を知る世代は懐かしみ、そして自分に引きつけて自然と当時を総括してしまう。若い世代は時代に浸れない分、小さな違和感にひとこと言わずにいられないのでしょう」

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