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「おじいさん」がカッコイイ ドラマや漫画の主人公、活躍中

2007年10月09日15時27分

 「おじいさん」を主人公にしたドラマや漫画などのエンターテインメント作品が若者に受けている。登場する老人は微妙にずれたテンポや感覚で周囲を圧倒したり、ヒーロー顔負けの大活躍をみせたりする。自らとは異質な存在の魅力に作り手側も見る側も共感しているようだ。

 9月まで放送されたドラマ「おじいさん先生 熱闘篇」(日本テレビ系)。不良クラスの担任になった「おじいさん先生」(ピエール瀧)はウグイスの鳴き声に聴き入ったり、生徒におやつをあげたり、あり得ないマイペースぶりで生徒から反抗する気さえ奪ってしまう。

 「弱すぎて強い、新しいヒーロー像」と脚本の細川徹さん(35)。「非現実的でも、おじいさん先生の醸し出す達観した雰囲気に若者は癒やされるのでは。核家族化の影響もあって、対極にあるすごい存在にみえてしまう」。深夜枠では上々の視聴率で、公式本が3日発売され、12月にはDVDも。

 「前代未聞のシルバー・バラエティー」とうたうDVD作品「R(アール)65」の笑いのツボも、会話やテンポのズレから生じるギャップだ。架空のシルバー著名人たちが登場。大まじめに演じるのは、素人のお年寄りだ。

 「一途な演技に加え、名前や職業などプロフィルの一部に事実を反映することで、妙なリアル感が生まれる。普通のおじいさんなのに、年齢を重ねて染みこんだものがにじみ出てくる」と古屋雄作監督(30)。「おじいさんは僕のアイドル。興味は尽きない」と言い、シルバー作品をライフワークにしたいと張り切る。

 マンガにも老人の魅力を描いた作品が登場した。

 「リストランテ・パラディーゾ」(オノ・ナツメ作、太田出版)とその外伝シリーズ「ジェンテ」は、年齢差40歳ほどのロマンスなど、「老眼鏡紳士」たちが織りなす繊細なストーリー。

 一方、「ジジジイ―GGG―」(小山宙哉作)の主人公は弱きを助け、悪者をやっつける70歳の怪盗だ。

 「カッコイイおじいさんを描きたかった」と30歳の小山さんは言う。「驚くべき速さで早歩きしているおじいさん」を駅で見かけ、「自分もあの年齢でこれくらい走れたら気分いいな。死のことなど、若者が主人公だったら想定しにくい場面も盛り込める」と考えた。

 単行本の読者には10〜20代も目立つ。講談社の担当編集者、佐渡島庸平さんによると「こんな風に年を取って死にたい」という感想が多く、「年金や医療問題がクローズアップされ、若者も老後を意識するようになった」と指摘。また「年相応に振る舞うことが求められた昔と違い、元気で自由なお年寄りが増え、設定に説得力が出てきた。思うままにならない現実を生きる若者には理想の姿に見え、うらやましく感じるのでは」。

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