【塚本和人】畿内有数の弥生時代の集落跡で知られる奈良県桜井市の大福(だいふく)遺跡で、木製の仮面の一部(弥生時代末〜古墳時代初頭、2世紀後半)が見つかり、市教委が30日発表した。古代の木製仮面としては、女王卑弥呼(ひみこ)の治めた邪馬台国の有力候補地とされる近くの纒向(まきむく)遺跡で出土した例を数十年さかのぼり、国内最古。
針葉樹のコウヤマキ製で、全長約23センチ、最大幅約7センチ、厚さ約5ミリ。左半分しかなく、表面に模様や人工的な色はない。直径0・9〜2・5センチの楕円(だえん)形の穴と、直径2・5ミリの円形の穴が各一つずつあった。大きい穴は目を表し、小さい方は顔に装着するためのひもを通す穴とみられる。
今回の仮面や纒向で出土した木製仮面(3世紀前半)は、農耕儀礼で使われたとの説があるほか、古代中国の文献に登場する呪術師「方相氏(ほうそうし)」との関わりを指摘する見方もある。