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自分の頭で考えなはれ…関西弁「ソクラテスの弁明」出版(1/2ページ)

2009年7月5日11時4分

 501人からなる陪審員に約2400年前、いわれない罪で死刑を宣告された古代ギリシャの哲学者、ソクラテスの反論演説「ソクラテスの弁明」(プラトン著)の関西弁訳が出版された。手がけたのは、大阪市中央区のグラフィックデザイン会社社長の北口裕康さん(44)。日本でも5月に陪審制に類する裁判員制度が始まったばかり。現代の裁判員に、風評に惑わされず冷静に判断することの大切さを伝えたいと思い立った。

 ソクラテスは紀元前399年、「神々を信仰せず青年たちを堕落させた」と身に覚えのない罪で裁判にかけられた。法廷で陪審員によく生きるとはどういうことか問い続け、弟子のプラトンがその演説をまとめた。

 「あの人もわたしも、お互いに善についても美についても、ようわかってないと思うんやけど、あの人は九割方わかってるっちゅうことでわかった気になってはる。わたしはちょっとでもわからんとこがあるとわかった気にならへん」。「無知の知」として知られるソクラテスの言葉も関西弁なら、こんな語り口調になる。

 関西弁に翻訳した北口さんは、大阪・ミナミで生まれ育った。ソクラテスは結局、世間の悪評を真に受けた陪審員に死刑を言い渡された。北口さんは昨秋、裁判員制度の導入を控え、「あいまいな情報が満ちている現代の裁判員も、先入観で判決をゆがめてしまうかもしれない」と考え、翻訳に挑んだ。

 堅苦しい哲学書を親しみやすい形で紹介したいと、人間国宝で落語家の桂米朝さんの語り口を手本にした。

 ソクラテスは、居並ぶ陪審員たちにこう訴えた。「言い方のうまい下手はあると思いますが、そこよりも言うてることが正しいか間違ってるかを考えて聞いてください」

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