2009年6月26日14時11分
ドイツ・ドレスデンのエルベ渓谷で、橋の建設が予定されている地点(06年8月撮影)=ロイター
【ベルリン=金井和之】スペインのセビリアで開催中の世界遺産委員会は25日、橋建設問題で揺れていたドイツ東部ドレスデンの「エルベ渓谷」を世界遺産リストから削除すると決定した。登録抹消は72年の世界遺産条約成立以降、07年のオマーン「アラビアオリックス保護区」に次いで2例目となる。
エルベ渓谷の流域約20キロが世界遺産に指定されたのは04年。翌年2月、市内の渋滞緩和を目的に以前から計画されていた橋の建設が住民投票で決定すると、世界遺産委は「景観破壊」になると警告し、06年の危機遺産リストに入れていた。08年にカナダであった世界遺産委では、同年の登録抹消をしない代わりに、トンネル案の採用を検討するように求め、「橋建設が中止されなければ09年に登録を抹消する」としていた。
世界遺産委の事務局を務めるユネスコなどによると、ドレスデン側からは橋のデザインの代替案などが提示されていたが、景観を損ねないよう求める世界遺産委側の要求を満たすものではなかったとして、削除された。
ただし、世界遺産委側はこれまでのように流域約20キロではなく、限定的な範囲での再登録は可能としており、ドレスデン側も再登録を目指す意向を明らかにしている。