故・つかこうへいさんと東京都北区が協力して設立した「北区つかこうへい劇団」が3日、没後1年を前に解散する。有名、無名の若者が17年間、芝居作りを学んだが、「つかさんの跡を継げる人はいない」との思いで幕を引くことになった。
劇団は、北区に住んでいたつかさんの熱意と、「若者を呼び込んで活性化したい」という北区の思いが合致し、1994年に誕生した。オーディションで選ばれた役者は延べ448人。つかさんに目をかけられた俳優の内田有紀さん、黒木メイサさんらも指導を受けた。計156公演で約22万人の観客を集めた。
この間、北区文化振興財団は年間5千万〜2500万円の財政支援をしてきた。発足当時の財団事務局長で現・区教育長の伊与部輝雄さん(61)は「行政がプロの劇団を作り、その劇団が公演を続ける試みは当時はなかった。前例踏襲をよしとする行政の殻を破ることができたと思う」。
ただ「劇団はつかさんの異才とカリスマ性でもっていた」(財団関係者)。劇団事務局長の逸見輝羊(へんみ・てるよし)さん(31)は「『つか』の看板を掲げ続けるのは厳しいと皆感じていた」と話す。
財団は「後継者不在」などを理由に解散を決め、今年2月に劇団と協議した。劇団員38人全員が納得して受け入れたという。