【江戸川夏樹】6月30日から籠城(ろうじょう)編が始まったNHKの大河ドラマ「八重の桜」で映像の特殊技術VFX(ビジュアルエフェクツ)が多用されている。舞い上がる火の粉や黒い煙。目をこらして見ても、本物にしか見えない。映画「スターウォーズ」で一躍有名になった技術だが、コンピューター技術の進歩で、いまやハリウッドだけのものではなくなりつつある。
■俳優の前、巨大な緑の壁
「八重の桜」の撮影現場では、銃を持った兵士役の俳優の前に、巨大な緑の壁が作られていた。目の前にあるのは大砲だけ。どんな場面を撮影しているのかは、まったくわからない。
放送する映像を見せてもらった。俳優の周辺には実際にはなかった黒い煙。緑の壁の向こうには、壊れた城壁と落城寸前の鶴ケ城がそこにあるかのように立っていた。加藤拓専任ディレクターは「今までにないリアリティーとスケール感」と自慢げに話す。
可能にしたのは、SF映画などで使われてきたVFX技術だ。実際に撮影された映像にコンピューターで作成した映像を組み合わせる。10年前に比べコンピューターの処理能力が上がった。コストも10分の1程度に下がり、テレビでも頻繁に使える技術になった。