【戸村登】京都国立近代美術館(京都市左京区)のロビーに、一般客「入店」お断りの「幻のバー」がある。1930年に中京区に開店した、斬新な店舗デザインの「スターバー」をほぼ原寸大に復元した展示作品だ。
スターバーは、建築家の上野伊三郎が設計、妻でオーストリア人のリチが内装を担当した。石とガラスのカウンターに、天井や壁に描かれた植物の図案、原色の椅子――。80年以上前とは思えない、モダンなデザインが特徴だ。32年にニューヨーク近代美術館の展覧会で、日本の近代建築の代表例として写真で紹介されたという。
当時のバーは長続きせずに幻の存在になった。復元した展示は人気を集め、6月末で撤去する予定だったが、好評のため9月1日まで延長を決めた。作品なので店内に入ることはできない。