海外との相互理解に貢献した個人・団体に贈られる国際交流基金賞の授賞式が9日、都内で開かれた。受賞者の作家、翻訳家の村上春樹さんは海外にいるため式を欠席し、担当編集者がメッセージを代読した。
村上さんは「翻訳作業の一つの役目は文化が特定の地域、時代を超えて力を発揮すると証明すること」と書き、少年時代にプラハ出身の作家カフカの小説「城」を読み、チェコの田舎町が「僕にとって何よりリアルなものとして感じられた」というエピソードを紹介した。そして、地理上の国境は摩擦を生み、政治問題を引き起こすが、文化の国境は「心を定めさえすれば、私たちにはそれを易々(やすやす)とまたぎこえることができます」と続けた。
最後に「夢を見ることは、私たち一人ひとりに生来与えられた権利です。人々が良き夢を見ることを助けるのが、真に優れた物語の意味でもあります。僕は翻訳をし、翻訳をされることを通して、その夢を見続けたいと考えています」としめくくった。