文化審議会は19日、国内最大級の貴金属鉱山に残る旧佐渡鉱山採鉱施設(新潟県佐渡市)、優れた木造モダニズム建築の日土(ひづち)小学校(愛媛県八幡浜市)、近代的な住宅へ移行する様子が分かる有近家住宅(山口市)など6件の建造物を、重要文化財に新たに指定するよう文部科学相に答申した。あわせて、岐阜県郡上市の郡上八幡北町など4地区を、重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。
佐渡鉱山施設は、坑道やベルトコンベヤーなど採鉱にかかわる一連の施設が残っており、昭和戦前期の鉱山の実像を知るうえで、歴史的価値が高いと評価された。日土小学校は八幡浜市職員松村正恒(まさつね)の設計で、1950年代に完成。川にせり出す2階ベランダなどが印象的な、優れた意匠が高く評価された。有近家住宅は、江戸時代から酒造業を営んだ地主の邸宅。毛利家本邸を手本にしたとみられ、格天井などを使った秀麗な表座敷が特徴。近代に財をなし、農家風の家を邸宅風に増改築していく様子が分かる建築物だ。
郡上八幡北町地区は、東西589メートル、南北525メートルの範囲に、しっくい壁、鉄板や桟瓦で葺(ふ)いた屋根、真壁造りが特徴の町家が立ち並ぶ。通りに沿って水路もある城下町で、歴史を現在に伝える街、とされた。
そのほかの新規指定・選定は次の通り。
【重要文化財】旧佐渡鉱山採鉱施設(新潟県佐渡市)、旧常田(ときだ)館製糸場施設(長野県上田市)、有川家住宅(滋賀県彦根市)、有近家住宅(山口市)、善通寺(香川県善通寺市)、日土小学校(愛媛県八幡浜市)
【重要伝統的建造物群保存地区】高岡市金屋町(富山県)、金沢市寺町台、篠山市福住(兵庫県)