【ランス(フランス北東部)=稲田信司】20世紀初めのパリで活躍したエコール・ド・パリの日本人画家、藤田嗣治(つぐはる、レオナール・フジタ、1886〜1968)の未公開作品を含む遺作が22日、藤田が妻の君代さんとともに眠る仏ランス市に寄贈された。没後50年にあたる2018年に開館する予定の市立美術館に常設展示室が設けられ、一般公開される。
寄贈されたのは、09年に亡くなった君代さん所蔵の遺作のうち油絵や水彩画など計二十数点。パリの画壇で著名になり始めたころの「自画像」(1922年)をはじめ、滞在先のブラジルの女性を描いた「マンゴー」(32年)、「礼拝堂」(56年)、「猫」(63年)など。新美術館の開館までに、追加の寄贈も検討されている。
藤田は生前の日記に「できればミュゼ(美術館)はつくって死にたい。画だけは散らさずに、そこに残したい。画が残せるのは芸術家画家としての誇りだ」と書き残していた。ランス市への寄贈はその遺志を尊重したものだ。