|
|
|
文化功労者に選ばれたのは次のみなさん。
◇
朝尾 直弘氏(あさお・なおひろ)80歳。京都大名誉教授。近世の農村社会や将軍権力の形成に関する研究で、精密な実証による新しい観点を打ち出した。「日本の近世」シリーズなどを編集。歴史学の新しい動きを平易に伝えた。京都市在住。
甘利 俊一氏(あまり・しゅんいち)76歳。元理化学研究所脳科学総合研究センター長。脳の情報処理の原理を数理情報学的方法で体系化。ニューロコンピューター理論や連想記憶モデルの基礎を確立した。95年日本学士院賞。東京都江東区在住。
安野 光雅氏(あんの・みつまさ)86歳。絵本作家。「ふしぎなえ」など視覚のトリックや遊び心にあふれた画期的な絵本を発表。科学、数学、古典文学、世界の風景など題材も幅広く、国内外で高い評価を得た。08年菊池寛賞。東京都小金井市在住。
飯守 泰次郎氏(いいもり・たいじろう)72歳。指揮者。ワーグナー作品の聖地バイロイト音楽祭の音楽助手など欧州で実績を積んだ。帰国後は東京シティ・フィルや関西フィルの常任指揮者として活躍。01年サントリー音楽賞。東京都港区在住。
大村 智氏(おおむら・さとし)77歳。北里大名誉教授。微生物由来の有機化合物を多数発見。開発に携わった抗寄生虫薬イベルメクチンは熱帯病の河川盲目症の治療薬として多大な成果をあげている。90年日本学士院賞。東京都世田谷区在住。
岡野 俊一郎氏(おかの・しゅんいちろう)81歳。元サッカー日本代表選手で、コーチとしてもメキシコ五輪銅メダルに尽力。日本サッカー協会長や日本オリンピック委員会専務理事を歴任。長野五輪、02年W杯招致に貢献した。東京都文京区在住。
金子 宏氏(かねこ・ひろし)81歳。東京大名誉教授。所得概念の分析・体系化で、租税法を行政法から独立した法分野に発展させた。税制調査会委員を務め、理論を現実に応用する道筋を示し、途上国の税制整備にも貢献。東京都文京区在住。
竹西 寛子氏(たけにし・ひろこ)83歳。小説家・評論家。端正な筆致で短編集「鶴」など名作を書き、評論では古典と現代を往還させる手法で「贈答のうた」などを発表した。日本文芸家協会理事なども歴任。94年日本芸術院賞。川崎市在住。
辻井 喬氏(つじい・たかし、本名=堤清二)85歳。詩人・小説家。生硬な隠喩を特徴とした詩作が高く評価され、「父の肖像」など家や父性の問題を提起する独自の私小説も確立した。セゾン文化財団理事長なども務める。東京都港区在住。
中路 融人氏(なかじ・ゆうじん)79歳。日本画家。西洋的な構図と東洋的な精神性を感じさせる描線で、日本の風景の新たな表現を生んだ。京都画壇のほか金沢学院大など教育現場でも後進の育成に尽力する。97年日本芸術院賞。京都市在住。
西田 篤弘氏(にしだ・あつひろ)76歳。宇宙科学研究所名誉教授・元所長。地球周辺に広がる磁気圏の構造やプラズマ現象の解明に大きく貢献。日米共同の磁気圏観測衛星の打ち上げも主導した。01年日本学士院賞。東京都町田市在住。
松本 幸四郎氏(まつもと・こうしろう、本名=藤間昭暁)70歳。俳優。81年に九代目幸四郎襲名。鮮やかな口跡と演技で「勧進帳」の弁慶など歌舞伎立ち役の大役を継承。「ラ・マンチャの男」などの舞台やドラマでも活躍。東京都港区在住。
別府 輝彦氏(べっぷ・てるひこ)78歳。東京大名誉教授。チーズの製造に使う酵素キモシンを微生物で大量生産する研究など発酵学・応用微生物学の発展に貢献。抗がん剤開発にも影響を与えた。98年日本学士院賞。東京都杉並区在住。
宮崎 駿氏(みやざき・はやお)71歳。創意に満ちた場面設定や卓抜な動画技術を持つ。作品に歴史、哲学、文化人類学的な世界観をこめアニメ映画の表現を押し広げた。「千と千尋の神隠し」で03年米アカデミー賞。埼玉県所沢市在住。
諸熊 奎治氏(もろくま・けいじ)78歳。米エモリー大名誉教授。分子の構造、反応、機能に関する研究で世界を主導。理論化学・計算化学の発展に大きく貢献した。国際量子分子科学アカデミー会長も務めた。08年日本学士院賞。京都市在住。