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京都の寺や神社21カ所が参加して11月2日から始まる「京都非公開文化財特別公開」を前に、新作の襖絵(ふすまえ)が妙法院門跡(もんぜき、京都市東山区)に奉納され、報道陣に31日、公開された。伝統的な花鳥風月を斬新なデザイン性と豊かな装飾性で描き「平成の琳派(りんぱ)」と呼ばれる日本画家の石踊(いしおどり)達哉さん(66)が手がけた。
石踊さんは、瀬戸内寂聴さんの現代語訳「源氏物語」の装丁画や金閣寺方丈の杉戸絵などで知られる。今回の襖絵は金地に春夏秋冬の植物をちりばめた「断雲四季草花図」など32面。
なかでも大地にそびえ立つ円い輪が草花をまとう「輪廻(りんね)転生」は、制作途中に東日本大震災があり、ほかとは異質の作品に仕上がった。石踊さんは「仏性を視覚化しようと描いた現代の仏画です。輪の周りの赤い実が大地に落ちて芽吹き、また実をつける。そこに生命の繰り返しと輝きを表現しました」と話す。
妙法院の公開は18日まで。特別公開は朝日新聞社の特別協力。問い合わせは主催の京都古文化保存協会(075・561・1795)。(久保智祥)