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2012年11月3日8時18分

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作品が一流なら買ってくれる〈ネットで文字は売れるか〉

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■加藤貞顕さん=ピースオブケイクCEO、編集者

 昨年末に「ピースオブケイク」という会社を立ち上げました。社名は「そんなの簡単だよ」という意味です。「インターネット上で文章や画像のコンテンツが有料で流通する市場をつくる」という、世界で誰も成功していない困難な事業に挑戦する会社としては、いい名前だと思っています。

 極論すれば今のネットは、プロが宣伝広告費を稼いだり自らの宣伝をしたりするためにつくったコンテンツと、アマチュアが趣味で作ったコンテンツしか流通していない。本来中心になるべき「プロが本気になってつくったもの」だけが欠落しています。時間とお金をかけてコンテンツをつくっても、ネット上ではそれに見合った対価を得られないからです。

 特に、文章を中心とするコンテンツにお金を払ってもらうことについては、一部著名人のメールマガジンを除きほとんど成功していません。新聞の電子版も成功しているとは言い難い。「情報はタダ」というネット上の掟(おきて)は、いまだに打ち破られていません。

■インフラ整った

 だが、状況は変わりつつあります。パソコンは事務機器なので、娯楽系のコンテンツには不向きでしたが、タブレット端末の「iPad(アイパッド)」やスマートフォンが登場し、通信網も充実したことで気軽にコンテンツを楽しめる環境が整いました。

 「ネットの情報には金を払わない」という心理は強固に見えますが、消費者が欲しいと思う一流コンテンツがネット上にないことの方が、実は問題ではないか。村上春樹さんや伊坂幸太郎さんの新作がネットに出れば、多くの人はお金を払うはず。私が編集者として手がけた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」も、電子書籍化したら17万部売れました。

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