【向井大輔】大阪・日本橋の国立文楽劇場で上演されている人形浄瑠璃文楽の11月公演「通し狂言 仮名手本(かなでほん)忠臣蔵」の観客数が、昨年の同じ月に比べて約1.7倍も増えている。文楽で一、二を争う人気演目の8年ぶりの上演に加え、大阪市の補助金問題で注目を集めたことが幸いしたようだ。
劇場によると、公演が幕を開けた今月3日から10日間の来場者は約1万人にのぼり、昨年の約6千人を大きく上回った。昨年まで過去3年間の11月の総来場者数は毎年減り続けていたが、今公演の週末はほぼ満席で「近年にない入り」と劇場側。初めて足を運ぶ人が多いためか、予約した弁当の受け取り方や、トイレの場所を尋ねる観客も目立つ。
理由の一つは「仮名手本忠臣蔵」という演目のおかげだ。赤穂藩主・浅野内匠頭(たくみのかみ)の家臣の大石内蔵助(くらのすけ)らが、主君の敵である吉良上野介(こうずけのすけ)を討った事件をもとにした物語は、文楽を見たことがない人にも広く浸透する。