原発とエネルギーに関する情報発信で人気のゆるキャラ、もんじゅ君。彼が日本各地のエネルギー問題について語る連載「もんじゅ君のにっぽんエネルギーさんぽ」、第3回は青森県の大間原発を取り上げます。
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■ちいさなおうちに、ちいさなお便りを
こんにちは、もんじゅ君ですだよ。
11月27日から、北海道の登別を中心に大規模な停電が起きていて、とってもハラハラ……。さむいこの季節にあかりや電気の暖房がつかえないなんて、ほんとうにお気のどくでなりません。この記事がUPされるころにはぜんぶ解決しているといいなと願っておりますだよ。
今日はその北海道のすぐ南、青森県のおはなし。
みんなは「あさこはうす」っていう名前のちいさなおうちのことを、きいたことがあるかな?
日本じゅうからいろんな人があさこはうすに宛てて、お手紙やはがきを出しているの。インターネットで「はがきをだそう」と呼びかけている人もいるし、たとえば美術家の奈良美智さんなどの著名な方も、はがきを出したことをツイッターでつぶやいたりしているんだよ。それはどうしてだろうね?
■なぜ「あさこはうす」にお手紙を出すの?
みんながお手紙を出すのは、郵便屋さんに毎日「あさこはうす」までつづく細い道をかよってもらうためなの。
あさこはうすの建つ場所は、大間原発という建設中の原発の敷地のなかにあるんだよ。大間原発を建てようとしているJパワー(電源開発)さんという会社は、建設予定の場所の土地をもっていた人たちから、それぞれ土地を買いすすめていったの。だけど、「あさこはうす」の初代持ち主だった熊谷あさ子さんは、原発の建設に反対して土地を売らず、おうちを建ててそこに暮らしたんだよ。
そこで暮らすことそのものが、あさ子さんの「ここには人が住んでいます。だから原発は建てないで」「大間のゆたかな海を守りたい」というメッセージだったんだね。
そしてそのおうちは、あさ子さんの死後も「あさこはうす」と呼ばれて、娘さんに大切に管理されているの。
■郵便屋さんが通う=人が暮らしている証明に
だけど、ひとりでそのおうちを守るのはたいへん。
だから、みんなが全国からおたよりを出す、そしてそれを届けるために、郵便屋さんの車やバイクが毎日その道をかよう。そうすることで、「この道も毎日人や車が通っているんです」、「だから、むりやりにこの家をどうにかして、原発を建てたりしないで」としめすことができるんだね。
「あさこはうす」へのおたよりのあて先:
〒039―4601 青森県下北郡大間町字小奥戸396 あさこはうす
■脱原発依存社会を目指すのに、建設再開?
9月に、国のあたらしいエネルギー政策である「革新的エネルギー・環境戦略」がきまって、「原発をあたらしく建てたり増やしたりしない」、「2030年代に原発稼働をゼロにできるよう、あらゆる政策資源を投入する」といった方針がそこにはふくまれていたのね。
だけど9月には、枝野経産相も「つくりかけのものはOK」とみとめてしまって、Jパワーさんは、建設を中止していた大間原発の工事をふたたびはじめたんだよ。
もしもほんとうに2030年代に原発をすべて止めるつもりなら、こんなのふしぎだよね。だって、つくりかけのものを完成させても、あまり動かさないうちに稼働をやめることになってもったいないわけだし、いちど稼働させてしまえば、たくさんの放射性のゴミが出てしまってしまつにお金がかかるはずなのにね。
■反対も多く、活断層も心配されている
大間原発の建設には、対岸の北海道・函館市では反対の声がとてもつよいの。
つくる地元には原発交付金がはいってきたり、雇用が増えたりするというメリットもあるから、賛成も反対もどちらもあるんだよね。だけど、そういったメリットのないちかくの自治体にとっては、もし事故が起これば被害だけがおよぶわけで、リスクしかないでしょう。だから、「なんとか中止してもらわないといけない」と考える人が多いんだね。
これは大間原発にかぎらなくって、ほかの原発のある土地でもいえることなの。たとえば滋賀県などは、もし福井の原発銀座でおおきな事故があれば、おそらく琵琶湖が汚染されてしまうだろうということで、はやい段階から「卒原発」を主張しているんだよ。
大間原発の沖合にはすでに海底活断層がみつかっているんだけれど、原子力規制委員会さんがこれから大間原発の敷地の断層調査をおこなうことを発表したんだよ。結果によっては工事も中止になるかもしれないよね。気をつけてみまもりたいですだよ。