DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2017/12/01

輝く女性の陰にイケてる男性あり? 女子大生が感じた夫婦と職場のリアル 前編

丹羽菜々香(POTETO) with 朝日新聞DIALOG編集部

「家庭を持ってからもバリバリ働きたい!」
共働きが当たり前になっている昨今、そう考える女性も増えています。
でも、バリバリ働きたいからこそ、悩みの種が出てくるのもまた事実。パートナーや同僚、部下や上司は、そんな私を支えてくれるの……? そもそもそんな女性は周りからどう思われるの? 男性の本音って、ぶっちゃけどうなの?!

そんな悩みにお答えすべく、11月12日に開かれた、Lean In Tokyoが主催するイベントに参加してきました。

Lean inとは、“一歩踏み出すこと、挑戦すること”を意味します。Lean In Tokyoは、女性や男性が社会の慣習や組織の前例、ジェンダーの枠にとらわれず、成し遂げたいことをかなえるために「一歩踏み出す」ことを応援する団体です。今回のイベントでは、活躍する女性を支えてきた男性たち、そして活躍している女性の方々をゲストに迎え、赤裸々な体験談や、男性の協力を得るための秘策などについてパネルディスカッションを行いました。どのような本音を聞くことができたのでしょうか。

活躍する女性を支えてきた男性登壇者は、こちらの3名。

Q.女性をサポートする上での工夫、または考えていることや思っていることは何ですか?

青野:女性といってもいろいろな考え方の人がいるので、社内では一人ひとりに話を聞くことを大事にしています。家庭では、家事や育児を連係プレーでするのではなく、範囲を決めて責任を持つやり方のほうが、僕の場合はうまくいきました。妻は病院に勤めており、朝は僕が朝食作りや子どもの送りなどを担当し、夜は妻が担当しています。以前、同僚に「子どものお迎えって大変だから、やってみたほうがいいよ」と言われたんです。やってみたら「これ無理だな」と思いましたね。やっぱりやってみないと大変さはわからない。体験して相手の立場に立ってみるのは大切だなと思います。

村田:工夫しているのは、価値観を相手に合わせること。例えば、子どもの教育面はカミさんに任せています。僕はマナー担当。お箸の持ち方とかですね。ちょうどカミさんが手薄な領域だったので(笑い)、ニッチなところを見つけています。コツは、腰を低く、懐は深く、脇は甘く。この3つですね。

松木:独身なので夫としての発言はできないのですが、姉がいることもあって、女性を「支える」というのは、なんだか「上から目線」のような気がして嫌ですね。それよりは「ギブ・アンド・テイク」というか、僕の弱点を補ってもらい、逆に僕は相手の足りないところを埋める役割でありたいと思っています。

Q.企業や組織の中で、一人ひとりが働きやすいように、どのような仕組みを作っていますか? 難しかったことも教えてください。

青野:入社したときはブラック企業だったんです。離職率が3割近くありました。時短勤務の制度は作ったけど、利用するという風土が追いつかない。そんな中で、社長が育休を取ったことは大きかった。子育てをしてみたら、とても大変だった。そこから社長が「なぜ男性は夜まで働いてるんだ」と言うようになったんです。女性も全員が時短で働きたいと思っているわけではなく、逆に男性でも時短を取りたい人はいる。いろんな思い込みがあったと気づいていく中で、会社の風土も変わっていきました。女性をサポートすることについては、若い世代は意欲的で、上の世代は抵抗感があるようです。でも、だいぶ変わってきましたね。うちの会社も今では男性社員に「育休取らないの?」と聞くのが当たり前になりつつあります。

Q.大学生を見ていて、男子学生が女性をサポートしたいと考えているというような、意識の変化を感じることはありますか?

村田:若い人たちには、サポートというより、一緒に働くのが当たり前という考え方がありますよね。でも、男性って、就活のときに、自分のキャリアプランは考えても、ライフプランは考えていないんですよ。一方、女性はキャリアプランと、出産などのライフプランがかぶってきてしまう。会社を辞めることになるかもしれない。だから男子学生には「奥さんを踏み台にして生きていっていいのか、ということを、よく考えたほうがいいよ」と言っています。

青野:すごく同感です。採用すると女性が圧倒的に優秀。男性は年収がいくらとか、将来起業したいといったキャリアプランばかりで、ライフの中にワークがあるという意識がないですよね。私の会社は男女の採用割合を事前に決めていないので、年によっては女性のほうが多い。これって世界的に言えることらしいです。女性ではなく、男性活躍を支援したほうがいい。

Q.周りを見てやりづらさを感じているところはありますか?

松木:社会的に認められたものには食いつくけれど、自分で「何か始めてみる」というのはネガティブに捉えられてしまうのが実態としてあります。男性は組織に縛られて言えないというのがあるかなと。他人の評価を気にしてしまうんですかね。

村田:男性って組織の中にいるから、外の世界を知らないんですよ。いろいろな活動を男性がすることで、意識が平準化するんじゃないかな。副業はするべき。学びがある。会社の仕事しかしていない人と、外部でも活動している人を比べると、後者のほうが出世が早いというデータがあるんですよ。

Q.身近な人で、組織の枠組みやジェンダーの枠組みにとらわれて一歩踏み出せない人がいたら、どう声をかけますか?

村田:新しい一歩を踏み出したらどうなるか、どうなりたいのか、予想図を描く。成功した自分を思い描くと、うまくいきます。僕もやっていることですが、効果があります。

青野:「一番怖いのは人の目」だと言う人は少なくないと思います。「じゃあ、人の目って具体的に何?」と聞くと、答えられない。思い込みだと思うんですよね。一歩踏み出せば、応援してくれる人もたくさんいるのに、ネガティブに考えてしまう。その思い込みを捨てて、周りに宣言するといいです。共感してくれる人は間違いなくいます。

松木:何かを始める前は、ネガティブなことをいろいろ考えてしまう。でも、あまり考えすぎずに思いっきりやると、いいこともたくさんあるよ、とお伝えしたいです。

いかがでしたでしょうか。
輝く女性の陰にはイケてる男性あり。女性が社会進出するには、思いやりのある男性の「家庭進出」が、大きなカギになるのかもしれません。

POTETOとは……「政治をわかりやすく伝える」学生のチーム。 「リテラシーインフラ」を整備することを掲げ、①日々のニュースや様々な社会トピックを動画やイラストで伝えるメディア事業②社会課題をテーマにした出前授業を行う教育事業③NPO、政治家といった、ソーシャルな活動を行う主体の発信サポートを行う事業などを展開。

AUTHOR……丹羽菜々香/:明星大学教育学部2年。高校卒業後、カナダに2年間留学した際、日本の若者の政治への関心の低さに気づく。帰国後、POTETOに参加し、現在は教育事業部副部長として、主権者教育を広めるべく、選挙に関する授業を企画したりしている。

関連記事

pagetop