2018/03/01

アートを買ってみませんか ~「3331 ART FAIR」の楽しい歩き方

島本優朗(POTETO)with 朝日新聞DIALOG編集部

休日になると美術館には長蛇の列。街角にはギャラリーもそこここに。東京でアートに触れようと思えば、その機会はけっこうあります。でも、美術館では作品を眺めるだけだし、ギャラリーに入るには勇気がいりますよね。ましてや作品を買うなんて夢のまた夢でしょう。3月7日から11日まで東京・外神田で開かれる「3331 ART FAIR」は、そんなアートのハードルをもっと下げようという試みなのです。

アーツ千代田 3331の彦根延代さん(左)と宍戸遊美さん 撮影・島本優朗

会場は中学校の校舎をリノベーションした文化拠点

会場となる文化施設「アーツ千代田 3331」は神田明神から歩いて5分。ビル街の一角にある学校のような建物です。それもそのはず。ここは中学校の校舎をリノベーションし、千代田区の文化事業の一環として誕生したアートセンターなのです。地上3階、地下1階の館内には、アートギャラリーやオフィス、カフェなどが入居し、展覧会だけでなくワークショップや講演会といった文化的活動の拠点として利用されています。運営にかかわっている方々も、その多くはアーティストで、最先端のアートの発信に加え、神田祭とのコラボレーションなど地域に根差した活動も積極的に行っています。ここは様々な形のアートに出会える場所なのです。

正面奥の校舎のような建物がアーツ千代田 3331 ©3331 Arts Chiyoda

3331の由来は……

こちらの動画は今回の「3331 ART FAIR」の紹介動画で、神田祭の際に録音した3・3・3・1拍子を音源としています。ちなみに、「3331」という施設名の由来も、この拍子から来ているとのこと。

今回で7回目となる「3331 ART FAIR」には、北海道から沖縄までの全国各地、さらには海外の作家も出展します。大きな特徴は「基本的に全ての作品が購入できる」というところ。自身もアーティストで、アーツ千代田 3331の地域担当マネージャーを務める宍戸遊美さんは、「フェアを通じてアートに対するハードルを下げるのが目標」と話します。「日本では、アートは美術館で見るものというイメージが強い。ギャラリーも入りづらい。だけど、アートを買ってみたらどうか、というふうに発想を転換してもらって、アートマーケットの裾野を広げたい」。たしかに、気に入った作品を購入することは、作家への物心両面での支援にもなります。作品の売買を通じて作家が社会とつながりを持つ場、それが「3331 ART FAIR」なのです。

6大学が学生の作品を展示・販売

出展するアーティストは、著名なベテランから大学生まで幅広いのも、このフェアの特徴です。1階のメインギャラリーでは、各地で活躍している学芸員やキュレーターなどが推薦した作家が出展します。2階の体育館エリアでは、ギャラリーや大学などの団体がブースを借りて作品の展示・販売ができます。アーツ千代田 3331の広報・プログラムコーディネーターを務める彦根延代さんは、「メインギャラリーの作家には、東京初出展の方もいます。体育館エリアでは、今回初めて六つの大学が出展します。アートフェアで大学が学生の作品を販売するのはきわめて珍しい。意欲的な試みです」と話します。教室エリアでは、もともと入居している様々なギャラリーがフェアに参加。さらに地下1階の廊下や屋上など会場の至る所にアートがちりばめられる予定です。作品の近くに作家がいることも多いので、気軽に話を聞くことができるのも魅力です。

1階のメインギャラリー。作家と気軽に話すことができる ©3331 Arts Chiyoda
2階の体育館エリア ©3331 Arts Chiyoda

100人のコレクターや各界のキーパーソンが作品購入を予定

フェアには「コレクター・プライズ」という仕組みが導入されています。一般のアートフェアでは、作品が売れても、購入者は匿名にされるのが普通です。しかし、このフェアでは、事前に「プライズセレクター」に登録した人が作品を購入すると、誰が何を買ったかが即座に公表され、作家に賞が与えられます。たとえば、ある人が作品を買えば、その人の名前を冠した賞が作家に与えられるのです(賞の名称はプライズセレクターが自由に決められます)。「プライズの目的は、作家と購入者の距離を近づけることです。コレクターの存在は、普通は作家にも他のお客さんにも見えません。それを『見える化』すると、作家の励みになるし、優れた作品であることが他のお客さんにも伝わりやすくなります」(彦根さん)。今回、プライズ・セレクターは約100人になる見通しです。

会場では、アートの展示以外にも、古書のフェアや、地元・神田の飲食店によるフードマーケットも開かれます。小さな子ども連れで会場を巡るツアーも用意されています。「無料のエリアもあるので、散歩がてら気軽に来て、アートを楽しんでください」(彦根さん)

アートツアー ©3331 Arts Chiyoda

アクセスが良い会場なので、会社や学校帰りにふらっと、あるいは休日に家族でのぞいてみてはいかがでしょうか。もしかしたら買っちゃうかも、と思いながら会場を回ると、いつもとは違った新しい出会いがあるかもしれません。

入場料は一般1500円、シニア(65歳以上)・学生1300円。高校生以下無料。ほぼ同時期に開催される「アートフェア東京2018」「ART in PARK HOTEL TOKYO 2018」「Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA」との4会場共通入場券「東京アートパスポート」(5100円)もあります。

イベントの詳細はこちら

3331 ART FAIR
【会場】アーツ千代田 3331
【所在地】〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
【問い合わせ先】3331 ART FAIR 2018事務局 Tel 03-6803-2441(代表)

※掲載した写真は2017年のフェア会場の様子です

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