DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2017/12/22

あわてん坊のサンタクロース、今年も陸前高田にやってきた!

木村聡(NPO法人SET)with 朝日新聞DIALOG編集部

東日本大震災で、津波による甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。クリスマスの約1週間前にあたる12月16、17日の週末、同市広田町で活動するNPO法人SET(三井俊介代表理事)は、サンタに扮した地元の中高生と関東圏の大学生ら135人とともに、町の全1070世帯にプレゼントを届けるプロジェクト「サンタが夢を届ける~2017冬~」を実施しました。

5回目の開催となる今年は、中高生66人と、関東圏の大学生34人、広田町民合わせて計135人が、企画や運営に参加。定時にお茶をする地元の習慣「お茶っこ」にうってつけの手作り茶筒に、広田の方言と、若者言葉のクイズを書いた紙を入れ、プレゼントとして配りました。前日の町内放送の案内を聞き、サンタの訪問を心待ちにしていたというお宅では、「子どもも家を出て、クリスマスは縁遠いものになっていた。我が家にも来てくれて、とてもうれしい」という声を聞くことができました。初参加の大学生は「町の人から『ありがとう』をたくさん言ってもらえた」「プレゼントを渡したら、干し柿やみかんをいただいた。笑顔やパワーをもらった!」と喜んでいました。

このプロジェクトを運営するSETは、2011年3月13日、東日本大震災からわずか2日後に、「Student Emergency Task Force(SET)」という任意団体として発足しました。

以来、陸前高田市とその周辺地域で、災害支援活動や既存の産業の発展、新しい産業の創出、社会教育や国際協力、外部人材との協力態勢の構築などに向けて取り組んできました。2013年に登記し、現在は関東出身の8人の現地メンバーに加え、150人の大学生と社会人メンバーで構成されています。当初の「復興支援」を主眼とした活動から、現在では「人口減少社会における町づくりや人づくり」をメインのテーマに据えて活動を続けています。

2014年には、「高田と僕らの未来開拓プロジェクト」(以下、たかぷろ)という取り組みをスタートしました。陸前高田の中高生が、関東圏の大学生たちとともに、地域の未来や自身の将来を考え、夢をかなえるためのアクションを起こし、未来を切りひらく力を育む「地域活性化×キャリア教育」のスキームです。中高生と大学生が地域の課題を話し合うワークショップを定期開催してきました。

サンタ企画も、たかぷろの取り組みの一つです。始まりは、東日本大震災が起きた2011年のクリスマス。まだ小学校に上がる前だった、ある地元の女の子が「今年はサンタさん、来るのかなぁ……」とつぶやいたことがきっかけでした。「広田町の子どもたちを笑顔にしたい」と、中高生と大学生、地域の大人が知恵を絞り、町を集落単位に分けて子どものいる世帯に1軒1軒、「お茶っこ」に使う手作り茶筒と、小学生以下の子どもにはお菓子の詰め合わせをプレゼントとして届けることにしました。地元の人や他地域から参加する学生たち、多世代が一緒に町を歩くことで、町の新たな魅力を発見することにもつながっていきました。

今ではこのイベントは、広田町の冬の恒例行事となりました。2015年度からは、たかぷろに参加する高校生の「子どもだけじゃなく、じいちゃんやばあちゃんにも笑顔になってほしい」という思いから、対象を子どものいる世帯から、全世帯に広げることになりました。

SETではこのほかにも、陸前高田市や広田地区コミュニティセンター、NPO法人チャリティーサンタ、一般社団法人アショカジャパンなど、数多くの団体から支援や協力をいただいて、様々なプログラムを実施しています。現在募集しているのは、来年2~3月に実施予定の、「Change Maker Study Program」。広田町に総勢130人強の大学生を集め、1週間かけて町の課題解決に挑みます。詳細はこちら

このほか、広田町に4ヶ月間「移住留学」し、自身の目指す生き方を探るプログラム「Change Makers’ College」の参加者も募集しています。(https://changemaker.set-hirota.com/

さらに、中学や高校の修学旅行を陸前高田市に誘致し、地元の方の自宅で民泊してもらう体験も提供しています。2年目の今年度は、6校610人の受け入れを行いました。

活動に興味を持ってくださった方は、いつでもお問い合わせください。問い合わせ先は、NPO法人SETの担当・上田彩果 (080-3469-4586、takada.frontier@gmail.com)まで。 NPO法人SETのサイトは (http://set-hirota.com/

AUTHOR…木村聡/1993年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科1年。2014年からNPO法人SETで活動を始め、現在は「Change Maker事業部」のリーダーを務めている。大学院卒業後は、広田町に1年間移住する予定。

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