2018/10/05

人の成長が企業の成長
スタッフが辞めないサロン「株式会社アイエフラッシュ」の秘密

[PR]エヌエヌ生命保険株式会社

埼玉県でまつ毛エクステサロンやスクールを展開する株式会社アイエフラッシュは、普通の専業主婦が、子どもがいても働ける会社をつくりたいという思いで設立し、今では20店舗を構えるまでに成長しています。中小企業の経営者から、事業にかける思いや、困難を乗り越えたエピソードなどを寄せてもらうコンテスト「『経営の数だけ答えがある』ストーリー審査会」(エヌエヌ生命保険株式会社主催)でグランプリに輝いた同社を、特別審査員を務めた元フジテレビアナウンサーの木佐彩子さんが訪ね、代表取締役の南まゆ子さんに、ストーリーに込めた思いを聞きました。

「働く場所がないなら、自分でつくればいい」 20代で起業

木佐 グランプリ受賞おめでとうございます。審査会では、南さんが応募されたストーリーを読んだ審査員全員が「純粋に応援したくなる」と口を揃えていました。私も同じ女性として、専業主婦からスタートした南さんがどのように会社を大きくしていったのか、今日はお話をたくさん伺いたいです。

 ありがとうございます。私はもともと専業主婦になりたかったわけではなく、大学時代はツアーコンダクターを目指していました。英語の勉強はもちろん、大学在学中に専門学校にも通って資格も取得し、前向きに頑張っていたのですが、2001年にアメリカ同時多発テロが起きてしまい、旅行関係への就職が難しくなってしまったんです。

木佐 その年は“超”がつくほどの就職氷河期で、旅行関係だけでなく、企業への就職そのものが難しかったと言われていますよね。

 本当にその通りで、求人がほとんどない年でした。探せば何かの職はあったと思うのですが、夢だったツアーコンダクターの道が突然閉ざされ、それまで頑張っていた分、糸がプツンと切れたような状態になってしまって……。他にやりたいことも見つからないまま飲食店でアルバイトをし、そのまま結婚、出産して専業主婦になったんです。

木佐 子育てって本当に大変なのに、よく、また働こうという気持ちが生まれましたね。

 結局、働くことが好きなんだと思います。主婦業をしながら、もう一回働けないものか、ずっと考えていましたから。(笑)ただ残念なことに、当時は今よりも、子どもがいる女性を雇用してくれる会社が少なかったんです。でも保育園では必ず、先に働き先を見つけるように言われてしまう。そうこうするうちに、「もう自分でやったほうが早いかな」と思い始めて、28歳のときに起業したんです。

木佐 その発想がかっこいい!(笑)

 ほぼ一人で子育てしていたようなものなので、ガッツだけはありましたし、起業してしまうほど「働きたい!」という意欲が強かったんだと思います。(笑)

病気をきっかけに、長く働き続けられる環境づくりをスタート

木佐 起業後、お店が軌道に乗り始めたと実感したのはいつぐらいですか。

 売上は、起業直後から安定していました。1年目は年商5000万円くらいで、2年目は1億円、3年目は3億円と、ほぼ倍々で増えていきました。

木佐 すごい! では、あまり苦労しなかったんじゃないですか?(笑)

 世間的にはそう思われているみたいですが、やっぱりいろいろありましたよ。(笑)というのも、最初は借り入れをせず、運転資金は学生時代からコツコツ貯め続けていた貯金のみ。資金繰りにはかなり頭を悩ませました。30歳の頃、過労で倒れてしまったこともありました。幼稚園児だった娘を母に預けて、1カ月間の入院生活。それまで休みなく働いてきたので、「あれ!?」って感じで、しばらく心がパニック状態でしたね。

木佐 創業3年目で、ちょっとホッとしたときですよね。でも、その入院期間があったからこそ、自分の経営を振り返ることができた部分はありませんか?

 それはありますね。会社員の経験もなく会社を経営してしまったので、何が正しいのかがよく分からないまま3年間突っ走り、目先の利益しか見えてなかったと思います。でも、この状態を続けていると、いつかスタッフや、何より大切なお客様に大きな迷惑をかけてしまいかねない。そこで、施術を行わない管理者を店舗においたり、スタッフ全員が長く、快適に働き続けられる環境づくりに力を入れたりするようになりました。

木佐 会社が大きくなっていくなかで、勢いだけでは越えられない壁が存在するということですね。

 スタッフが30名くらいまでは意外と何とかなるんです。それくらいの人数だと、私が「こうしたい!」と声を上げるとみんな付いてきてくれるので。でも30人を超えたくらいから組織として作り直す必要が出てくる。

木佐 30人くらいの規模でいいや、とは思わなかったんですか?

 仕事が楽しくって、上を目指すのがやめられませんでしたし、会社を任せられる人と出会えたというのも大きかったですね。起業当初はホームサロンとして開業したのですが、ある介護施設の方から、その施設の一角にネイルサロンを出しませんか、という案内をいただき、そこに出店したことがきっかけで、系列の施設に数店続けて出店することができました。さらにその方が、私の危なっかしい姿を見てか、手伝わせてほしいと名乗り出てくれて、入社してくれたんです。こうした縁やタイミングといったものも、ここまで来るには影響していると思います。

美容業界の働き方改革が、業界全体の地位向上につながる

木佐 南さんの会社のすごいところは正社員の割合! なんとスタッフの9割が正社員なんですよね。

 基本的にアルバイトやパートは雇っていません。研修生のときはパートタイマ―ですが、店舗に出る段階で正社員になってもらいます。だから、お客様の施術に入らせていただくスタッフは100%正社員。そのほうがお客様に安心していただけると考えています。

木佐 美容室をはじめとする美容業界って、離職率が高くて、人材確保が大変だと聞いたことがあります。

 まつ毛エクステサロンではそこまでひどい話は聞きませんが、美容室のなかにはサービス残業が多かったり、社会保険に加入できなかったり、労働環境があまりよくない店もあると聞きます。そういう意味では、私は美容業界を変えていきたいと思っているんです。各サロン、美容室がきちんとした待遇と労働環境を整えると、そこで働く人たちの意識って、必ず高いほうへと変わっていく。そうすると才能やアイデア、労働意欲にあふれた人がたくさん美容業界に入ってくれて、やがては業界全体の地位向上につながっていくと信じています。

木佐 ということは、アイエフラッシュさんでは働き方改革が進んでいるということですか。

 有給取得率100%! みんなきれいに使い切ります。もちろん産休、育休制度も整っていて、現在10人以上が産休取得中です。ここまでしている会社はあまりないので、出産を機に辞めるスタッフはいても、ほかの会社に移るために辞めるスタッフはあまりいません。

木佐 でも、子どもがいると「熱を出したから迎えにきてください」って保育園から電話があったりするじゃないですか。そういうときはどうしているんですか?

 そういう場合は、途中から別のスタッフが担当します。スタッフが変わっても仕上がりに差がでないよう、技術は研修でしっかり指導するので問題ありません。

木佐 協力し合っている感じがすごくいいですね。日本の企業は女性の取締役の割合が低いと言われていますが、女性って肩書はどうでもよかったりしません? みんなと協力して、ほどよく仕事するほうがいいっていう人もけっこう多い気がします。

 そう! 理想の働き方って、驚くほど人それぞれなんです。子どもと一緒にいたいから週休3日がいいとか、平日はフルタイムでガッツリ働いて土日は趣味を楽しみたいとか、いろんな人がいます。個々人の考え方はバラバラだけれど、みんなが力を合わせることで、お客様に喜んでいただけるサロンを維持していければいいですね。

木佐 ダイバーシティーってそういうことですよね。南さんの一人ひとりを尊重しようという気持ち、社員の皆様に伝わっていると思います。

お客様が安心して通えるサロンであるために、研修期間は半年

木佐 まつ毛エクステサロンって本当にいっぱいありますが、南さんのお店ならではの強みはどこにあるとお考えですか?

 自慢したいくらいいっぱいあるのですが(笑)、まず眼科と医療提携しているというのが一つ。あとスタッフの技術を統一しているので、全員が同じ付け方をするという点。誰にあたっても上手だという安心感は、通い続けるお客様にとって重要だと思います。

木佐 全員の技術を高いレベルで統一するのってすごく大変だと思うのですが、どのように実現しているんですか?

 うちは他のお店と比べると研修に長い時間をかけています。1週間研修して、すぐに接客させるお店もあるなか、うちは研修期間が半年。これはかなり長いほうです。多くの店がなぜ研修を短くするかというと、みんなすぐに辞めちゃうからなんです。早く辞められてしまうと、研修分の元が取れません。でも、うちの場合はできるだけ人に投資をしようという方針。半年かけて研修をしても、5年間頑張ってもらえれば、お店としてはプラスになります。だから面接の段階で「1年くらいで辞めるなら、他のお店のほうがいいよ」とはっきり言います。

木佐 研修は南さんが行うんですよね。ノウハウはどのように培ったんですか?

 最初は東京のまつ毛エクステサロンのスクールに通いました。必要なエッセンスは取り入れて、でも「こうしたほうがいいな」という部分は改善しながらオリジナルを作り上げていったんです。ただそのスクール、受講料が1日10万円もするのに材料費は含まれていませんでした。それが個人的に嫌だったので、私が埼玉で、29800円という低料金で、50回分の材料もつけて、しかもマンツーマンのスクールを開いたところ、お客様がいっぱい来てくださいました。

木佐 なるほど。スクール事業はそこからスタートしたんですね。

 なかには特に仕事にしたいわけではなく、趣味としてまつ毛エクステを習ってみたいお客様もいるので、そういう方に向けて3時間コースをつくってみたり、ネイルと耳つぼを勉強したいという声が多かったので講座内容を増やしたり。お客様の要望に合わせて増やしていったら、いつの間にかすごく幅広くなっていました。アイデアが思い浮かぶと、実行に移さなきゃ気が済まない。(笑)

木佐 働き者!(笑) でも、南さんには家事や育児など、母としての仕事もありますよね。

 夕食もちゃんとつくっていますよ! シングルマザーなので、夜は娘と2人でゆっくり食事をします。だから基本的に残業はしません。資料を作ったり、メールを返信したり、家でできることは極力、家で行います。

木佐 そんなお忙しいなか、今回のストーリーを書いて応募してくださったんですね。

 私としても発見の多い、よい経験になりました。文字数があまり多くなかったので、書いたものを削っていくことで、自分にとって本当に大切なものが浮かび上がってきました。私の場合はそれが「人材育成」。ただ、じゃあ私が特別なことをしたかというとそうではなく、有給や残業などの制度を国のルールに従って整えただけ。人を大切に、丁寧に育てるって、本当は当たり前のことですよね。

木佐 そうそう、“働き方改革”なんて言っちゃうと、大げさで難しいことのように聞こえるけれど、本当は人が人を雇う上で当たり前のことをすればいいんですよね。その当たり前のことができれば、従業員も長く働き続けてくれるし、結果的に、会社を大きくできる。

 私も一経営者ですから、いつまでいてくれるか分からない従業員に、研修でお金をかけるのが嫌という気持ちはよく分かるんです。でも、半信半疑で人材育成にお金をかけてみたら、パズルのピースがはまっていくように、会社が健全に回り始めました。このことに、もっと多くの経営者が気づいてくれるとうれしいです。

木佐 南さんのような人材育成の取り組みが中小企業から広がっていけば、社会全体がもっと活性化し、女性の活躍の場も増えそうですね。本日はありがとうございました。

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