DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2018/11/22

自分らしく生きるための起業という選択
――女性実業家3人の座談会・後編

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世界各国の女性起業家が集まるDellの支援プログラム「Dell Women’s Entrepreneur Network(DWEN)」。今年7月にカナダ・トロントで開かれたDWEN Summitに、日本から参加した3人の女性実業家による座談会の後編です。起業を目指す大学生へのアドバイスや、起業家の実際の姿について聞きました。

3人のプロフィールは前編をお読みください。

自分の会社をつくったら、忙しいふりをする必要がなくなった

――正直なところ、女性起業家というと、髪を振り乱しながら24時間走り続けているようなイメージがあります。世間の印象と実際の姿のギャップはありますか?

川又尋美さん(以下、川又) 女性が起業することの大変さにメディアがフォーカスしすぎていて、「スーパーウーマンじゃないと無理」みたいなステレオタイプができてしまっていると思います。でも実際は、自分の会社を起業すると、時間で稼ぐということをやめられるのです。女性は家事だけでなく、メイクもするし、ただでさえ男性よりもやることが多い。そのなかで男性と同じように時間で稼ごうとしたら、女を捨てるしかないですよね。

Lindoors株式会社・代表取締役の川又尋美さん

パトリシア・ベーダージョンストンさん(以下、パトリシア) 多くの会社はそもそも男性が社員であることを前提につくられているので、女性が社員として働いても、最初から負け戦です。会社員は忙しそうにしていないと偉くなれませんから、ワーク・ライフ・バランスなどあるはずもない。私は民間企業にいた12年以上の間、夜10時前に夕食をとったことはありませんでした。でも、自分で会社を始めてからは、忙しいふりをする必要がなくなりました。起業家になって自分の会社の雰囲気を自分でつくることは、入った会社の企業風土に溶け込むよりも楽です。起業して、意味のない会議に出る必要がなくなったら、1日に8時間も空き時間ができて驚きました。

家事は必要最低限、子どもに見えを張らない

――とはいえ、経営者として、母親として、忙しい日々を過ごしていると思います。どうやって息抜きしているのでしょうか?

高橋真知さん(以下、高橋) 時間はものすごく大事。何もしていない状態が理想のリラックスタイムです。時間を確保するために、暇な人から誘われたイベントには参加しないと決めています。暇な人同士の集まりは、だらだらと何の目的もなく集まっていることが多い。忙しい人同士で会っているほうが、実りがあることが多いと感じます。また、家事は必要最低限しかしません。全自動の家電のボタンを順番通りに押すだけです。リラックス中は、誰とも何もしゃべらない。毎日その時間がとれるように、いろんなことを工夫しています。

株式会社Stroly・共同CEO/代表取締役社長の高橋真知さん

川又 小学生の二児の母です。子どもに見えを張らないと決めているので、子どもたちからは「ママは忙しくなると帰ってこない人」と思われています。ベビーシッターや家族みんなで子育てしているので、私がいなくても子どもが生きていくのに困らない仕組みはつくってある。息抜きは、山奥に釣りに行ったり、海外のカジノに行ったり、結構アクティブに楽しんでいます。高校時代はバレーボールの強豪チームにいたので、今でもクラブチームの助人としてジャンプサーブを打ったりしています。私はこういう人間、と決めつけずに、いろんな自分を持つことで切り替えができ、飽きずに生きていける。まだまだ100人くらいの自分をつくりたいと思っています。

パトリシア 友人が日本から離れる際に、友人宅で働いていたベビーシッターを紹介され20年間雇いました。そのおかげで、4人の子供を育てましたが、私も夫も育児か仕事かを選ばなくてよかったのは幸せなことでした。家にいるときは、家事よりも子どもたちが最優先。自由な時間には、横浜の演劇グループに家族みんなで参加するなど、子どもたちも楽しめることを一緒にしていました。子どもたちは成長して、一番上の長女はもう27歳。最近は、夫が好きなゴルフも習っています。

キャリアのはしご、いつだって次へ飛び移れる

――朝日新聞DIALOGのサポーターで、国際基督教大学4年の高柳美奈子と申します。私も将来起業したいと思っていることがあり、今回の座談会に参加させていただきました。起業に向けて大学生のうちにやっておくべきことはありますか?

パトリシア 「ヘビとはしご」というアメリカのボードゲームをご存じですか? サイコロを振って、はしごを上へ登り、ヘビに行き着くと後退します。人生のゲームにおいて、大学を出てから数年は、はしごを登るスピードは男女同じですが、結婚すると女性はヘビに落ち、男性ははしごの上へ進む。出産すると、女性はさらに長いヘビに落ちて、男性との差は広がります。女性にはそういう世界が待っていることを知っておかなければいけません。

innHealth・代表取締役社長のパトリシア・ベーダージョンストンさん

しかし一方で、キャリアの各ステージで、より高いはしごへと飛び移れるということも知っているべきです。ヘビに落ちることを自ら選ぶのではなく、いつだって別のはしごに飛び移れるということを知っておいてほしい。だから、とくに女性は学生のうちから、どんな仕事に就くかではなく、どんなキャリアを歩んでいきたいかを考え、そのための戦略を立ててほしいと思います。

川又 英語は学生のうちに、ビジネスする上で困らないレベルまで習得しておくことがマストです。どれだけ翻訳機能が向上しても、ビジネスはどこでどんな機会があるかわからないですから。たとえば、エレベーターで会って話したのがご縁でビジネスにつながることもあるので、チャンスが来てから行くというよりも、チャンスが来たときに、いつでもつかめるように常に準備をしておく必要があると思います。

高橋 せっかく大学に行っているのだから、教養を身につけてほしいですね。教養を身につけることに専念しても怒られない時期って、人生のなかではそうないので、そこでちゃんと教養を身につけられると、これからの人生で色々な選択を迫られたときに、いつでもそこに帰ることができます。あとは、多様な人と知り合うこと。自分たちの地域や学校内の限られたセクターだけでなく、いろんな人に出会って、いろんな人がいるのだと知っておくだけでも、そのあとの人生が違ってくると思います。社会に出ると、男性がリーダーシップをとっている世界がメインになってきますが、そんななかでも自分の価値観をしっかり持っていれば、おのずとリーダーシップや強みを発揮できる。自信の糧になる何かを、学生のうちに探せるといいなと思います。

グローバルカンパニーとして日本の女性起業家HUBとなりたい

――DWENのこれからをお聞かせください。

渡邊義成・デル株式会社常務執行役員コンシューマー&スモールビジネス事業統括本部長
過去の世界的な金融危機において、起業家が経済回復のリーダーであったことは歴史的事実です。ベンチャー投資が進んでいるアメリカでも投資額の約5%しか、女性起業家に対して投資されていません。今後の経済発展において女性起業家が大きな可能性を秘めていることは言うまでもありません。DWENでは引き続き、皆さんの活動を支援していきます。

座談会後にデル株式会社が開いたネットワーキングには約30人の女性起業家が集まり、Dell EMCのコマーシャル営業部門でアジア地域を統括するアミット・ミダ氏も参加した(中央左)

松本笑美・Dell EMC (EMCジャパン)ダイバーシティ&インクルージョン ジャパンリード
私たちはグローバルカンパニーとして、世界展開を視野に入れている日本の女性起業家の皆さんのHUBになりたいと考えており、DWENは海外進出に必要な知見の提供や専門家とのネットワーキングを通じて女性起業家をサポートします。来年のDWENは7月にシンガポールで開催予定です。ビジネスのスケールアップを望む多くの女性起業家にご参加頂きたいと思っています。

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