DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2019/10/15

国連WFP世界食料デーキャンペーン2019
「Zero Hunger Challenge for AFRICA 食品ロス×飢餓ゼロ」
キッチンの窓を開けて社会とつながろう

【PR】 認定NPO法人国連WFP協会

10月16日は「世界食料デー」。国連が制定した世界の食料問題について考える国際デーです。

世界の飢餓や栄養不良、貧困問題の現状は極めて深刻ですが、今の日本で、それらを身近な問題として捉えるのは、なかなか難しいのではないでしょうか。そこで、飢餓ゼロを目指す認定NPO法人国連WFP協会(*1)は、私たちの日常的な食品ロス削減の取り組みが飢餓問題の支援につながるキャンペーン「Zero Hunger Challenge for AFRICA 食品ロス×飢餓ゼロ」を10月末まで実施しています。

自宅に余っている食材を料理し、「#ゼロハンガーチャレンジ」「#wfp」を付けてSNSに投稿すると、キャンペーンの協力企業から1投稿につき120円がアフリカの国々の学校給食支援に寄付されます。また、キャンペーンに協力するシェフや著名人の投稿に、「いいね!」・シェア・リツイートすることでも、1アクションにつき120円が寄付されます。120円あれば、アフリカの子どもに栄養たっぷりの給食4日分を届けることができるそうです。

今回は、その一環で、DIALOGの乙部修平記者(上智大学4年)と森崎彩花記者(青山学院大学3年)が自宅で余った食材を持ち寄り、料理家の枝元なほみさんに活用法を教わるとともに、食品ロス問題専門家の井出留美さんにインタビューしました。

(*1) 認定NPO法人国連WFP協会……飢餓をなくすことを使命に活動する国連唯一の食料支援機関「WFP国連世界食糧計画(国連WFP)」の日本における公式支援窓口。募金活動や企業・団体との協力関係の推進、広報活動を通して国連WFPの活動を支えている。

私たちには日に3度、世界を変えるチャンスがある

買い込んだ食材が余ってしまい、冷蔵庫の奥で傷んだり、賞味期限が切れてしまったりした経験は誰しもあるでしょう。そこで、枝元さんに、賞味期限間近の食材を使って自宅で簡単にできる料理を教えてもらいました。今回、手ほどきを受ける学生記者2人と取材チームが自宅から持ち寄った食材はこちらです。

枝元さんはまず、カボスを搾ります。「カボスやレモンは果汁が酸性だから、搾って冷蔵しておくと1シーズン近く使えるの」。保存する際は、プラスチックよりもガラスの容器に入れたほうが長持ちすると教えてくれました。プラスチックは通気性があるため、内容物が酸化しやすいのです。「アーモンドプードルのような粉も、開封した後は瓶に入れて冷蔵庫で保存すると長期間もつ。私は、食品を包むときも、ラップではなく、さらしを使っています」

次に、プルーンの皮をむきます。「野菜や果物は、買ったらすぐに皮をむいて、手軽に調理できる状態にしてしまうのがポイント」と枝元さん。そうしておくと、使うのが面倒な食材も使ってみようという意識が働き、食材をダメにする前に使い切ることができるそうです。この日は、皮をむいたプルーンを冷凍庫に。シャーベット状のデザートになりました。

カステラとワッフルは一口サイズに刻み、卵、牛乳、加熱したリンゴなどと混ぜ合わせてオーブンへ。「果物は加熱すると保存期間が延びるの」と枝元さん。アップルケーキに変身です。

そうめんと板状のラザニアは、一緒に沸騰したお湯の中へ。麺によってゆで時間は違いますが、「お湯を沸かすのにはエネルギーが使われているので、できるだけ何でも一緒にゆでる。ゆで時間が違うものは、時間差で入れちゃえば大丈夫」 。ゆであがったラザニアは細めに切り、そうめんと一緒に缶詰の明太子とあえると、明太子パスタ風になりました。「食材をそのままの用途や形で使おうとすると、使い切れないことがよくあるけど、原料は何だっけと考えると、できることは増えます」

約2時間で10品以上が完成しました。持ち寄った余り物の食材で即興的に作ったとは思えない豪勢なランチ。手間をかけずに簡単に作れるものばかりで、味も申し分ありません。

農薬や遺伝子組み換え食品に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画『フード・インク』が大好きだという枝元さんは、こう言います。「主義主張に関係なく、人は、生きていれば誰でも食べます。この映画には、『私たちには日に3度、社会を変えるチャンスがある』という言葉が出てきます。私たち一人ひとりが、何を食べ、どのように暮らすかを選択することで、社会は変えられるということでしょう。家庭で、家族のために料理をするのは、日常のささやかな営みですが、全員に社会を変える力があることを自覚し、まずはキッチンの窓を開けて社会とつながることが大切だと思います」

なぜ食品ロスは減らないのか

では、日本の食品ロスの現状はどうなっているのでしょうか。飢餓や環境への影響と併せて、食品ロス問題専門家の井出さんに聞きました。

—— 日本ではどのくらいの食料がムダになっているのですか?

年に640万トン以上の食品ロスがあります。食品ロスとは、食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。世界全体の食料援助量が年間380万~390万トンといわれていることから考えても、廃棄量の多さが分かると思います。しかも、残念なことに、この数字は、具体的な統計が発表されるようになった2012年以降ほとんど変わっていません。

—— 日本では、なぜそれほど食品ロスが多いのですか?

原因としては、まず、日本が安全性を重視し過ぎていることが挙げられます。万が一の事態が起きないように制度設計されているので、賞味期限の設定などがとても厳しく、余剰分の食品をうまく活用できていません。例えば、アメリカでは、善意による行動で何か問題が起きたとしても責任を問わない「善きサマリア人の法」という免責制度があり、余剰食品の寄付を促しています。

コンビニ業界独特の会計システムも問題です。独自に調査を行ったところ、コンビニの店舗側は、見切り品を販売すると1年で400万円ほど粗利益が上がる、という結果が出ました。ところが、大手コンビニ本部の多くは、見切り品を売るより廃棄したほうがもうかる仕組みになっています。そうした会社では、売り上げから原価を引いた粗利益を本部と店舗が一定の比率で分配する会計方法をとっています。その際、廃棄分は店舗側が買い取り、原価計算に含めないというルールがあるのです。本部は「見切り品の販売は禁止していない」といっていますが、店舗側は本部の顔色をうかがわざるをえない。そのため、コンビニの店舗は大量の食品ロスを出しています。

こうした価値観や商習慣があるため、日本の食品ロスはなかなか減りません。

—— 食品ロスを減らすために重要なことは何ですか?

まずは消費者として、一人ひとりが「知る」ことです。例えば、熊本では、16年の熊本地震の際に寄付されたミネラルウォーターが大量に残っているけれど、賞味期限が切れているため飲料用には使えないという問題が起きています 。しかし、ペットボトルの水の賞味期限は、計量法に従って表示されているにすぎません。ペットボトルには通気性があるため、時間が経つと少しずつ蒸発します。その結果、賞味期限を過ぎると計量法違反になる恐れがある、というだけで、適切に保管されていればペットボトルの水は長期間、劣化しません。 そうした知識を身につけることで、一人ひとりの意識が変わり、行動が変わる。食品ロスを減らすことができます。

—— 食品ロスの削減は、他の社会課題の改善・解決にもつながりますか?

食品ロスは飢餓の問題と深く結びついています。日本では食品が余っているのに、アフリカなどでは飢餓や栄養失調で苦しんでいる人がいる。これは、食料生産量が足りないからではなく、適切な食料分配がなされていないことを意味します。食品ロスを減らし、その分の食料を適切な地域に分配できれば、世界の飢餓を解決できるはずです。

また、食品ロスの削減は、地球温暖化を緩和します。世界の食料ロス・廃棄によって排出される温室効果ガスの量は多大で、中国、アメリカに次ぐ第3位となり、気候変動の大きな原因の一つとなっています。食品ロスを減らせば、ムダに排出していた温室効果ガスを削減できる。食料生産に大きな影響を及ぼす気候変動へのインパクトを軽減できるのです。

気候変動の影響で飢餓人口が増加

井出さんが指摘する通り、世界には全人口を賄うだけの食料があります。しかし、実際には8億人以上が飢餓に苦しみ、しかもその数は近年増えています。その主な原因の一つは、気候変動が雨の降り方や農期に及ぼす影響と、干ばつや洪水などの自然災害です。国連WFPは気候変動に強い地域づくりのために、最も厳しい食料不安に直面する人々や国々を支援しています。

国連WFP協会が今年7月に訪れたアフリカのルワンダ共和国も、気候変動の影響を多大に受けている国の一つです。ルワンダでは農村部で暮らす人の89%が農業に従事していますが、国土のほとんどは斜面。気候変動で生じた予期できない規模や頻度の大雨、洪水、干ばつの影響を受けやすく、国民のおよそ35%が栄養不足に陥っています。気候変動のインパクトを軽減し、食料不足を解消するため、国連WFPは地元の人に、湿地帯を開墾したり、棚田を整備したりする農作業に参加してもらい、労働の対価として食料購入用の現金を支援しています。湿地帯が、気候変動の影響を受けにくい田畑に生まれ変わったことで、現在は三毛作が可能になり、人々の生活も向上しました。

 ©Mayumi Rui

レシピを投稿して飢餓ゼロを目指そう

世界には1日に1度の食事すら満足に取ることができない子どもがたくさんいます。学校に通えない子どもも6400万人います。SDGs(持続可能な開発目標)の一つでもある「飢餓をゼロに」を使命とする国連WFPは、途上国の学校給食支援に力を注ぎ、17年には71カ国、約1830万人の子どもたちに給食を提供しました。給食は子どもたちの成長を支えるだけでなく、親が子どもを学校へ通わせるようになる効果もあります。その結果、子どもの就学率が上がり、地域や国の経済成長にもつながっていく好循環が生まれるのです。

 ©Mayumi Rui

国連WFP協会のキャンペーン「Zero Hunger Challenge for AFRICA 食品ロス×飢餓ゼロ」に協力し、多彩なレシピを公開している枝元さんは、こう話します。「このキャンペーンは参加するハードルが低くて、すごくいい。食べ物を粗末にしたらいけないことはみんな分かっているし、食べない人はいません。食べることには人々を巻き込む包摂力がある。私はこのキャンペーンを、みんなで食にまつわる問題を考えるためのツールにしていけるといいなと思っています」

枝元さんと井出さんに教えを受けた乙部記者は、「食品ロスは、単にもったいないというだけではなく、地球規模の気候変動をもたらす一因になり、引いては飢餓につながるということが実感できました」と話しました。また、森松記者は「ちょっとした工夫で、食料をムダにせずにすむんですね。私の努力で社会を少しでも変えられるように、今日からがんばります」と語りました。

2人は早速、「#ゼロハンガーチャレンジ」「#wfp」を付けてレシピを投稿しました。

あなたも、自宅のキッチンから、自分にできるアクションを始めてみませんか?

世界食料デーキャンペーン 2019 Zero Hunger Challenge for AFRICA 食品ロス×飢餓サイト

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