DIALOG 日本の未来を語ろう :朝日新聞デジタル
2020/06/29

君の言葉が世界を変える 中学校で授業始動
SDGs169ターゲットアイコン日本版制作プロジェクト 参加募集

By DIALOG編集部
SDGsの17のゴールについて説明する慶応義塾大学大学院の蟹江憲史教授

 どうすれば貧困をなくせるのか。ジェンダー平等を実現できるのか——。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」に、若い世代の視点で身近なところから取り組もうと、先生と子どもたちが動き出しました。

 SDGsの17のゴール(目標)の達成に必要な、具体的な行動を示した169のターゲット。取り組む仲間を増やそうと、「SDGs169ターゲットアイコン日本版制作委員会」が発足しました。子どもや若者を中心に、英語で書かれたターゲットをやさしい日本語コピーにするプロジェクトで、賛同する企業(住友林業、大和証券グループ、フラグスポート、ライオン)からも支援をいただきます。コピーは11月末までこちらで募集。学校での出張授業も実施します。

コロナでも オンライン・動画を活用

 新型コロナの影響で、なかなか対面の授業ができない中、日本版制作委員会は少しずつ学校での活動を始めています。6月23日には、プロジェクトのキックオフとなる授業に向けて、東京都港区の慶応義塾中等部を訪れました。

(左)「自分ならどんな言葉でこのゴールを説明するだろう」と考える生徒
(右)グローバル化により、感染症や自然災害、経済危機などが瞬時に他国に連鎖し、経済や社会に深刻な影響を与えていることを学ぶ

 学校法人として、東は宮城県から西は岡山県まで約160ヘクタールもの学校林を有する同校は、この学校林を起点に生徒のSDGsへの興味・関心を育む取り組みを進めています。選択授業「SDGsのすゝめ」を履修する3年生の男子11人が3週にわたり、ゴール15「陸の豊かさも守ろう」にひもづくターゲットの日本語コピーを考えます。

 新型コロナの制限があっても学びやすいように、工夫を凝らします。23日はまず、慶応義塾大学大学院でSDGsを専門とする蟹江憲史教授が、17のゴールの狙いや、それぞれのゴールが互いに結びついていることなどを対面授業で説明。この日は子どもたち同士も初顔合わせでした。今後、委員会が制作した動画で自宅学習。基礎的な知識を身につけた上で、オンライン授業も交えながら日本語コピー制作に取り組みます。

 中等部の井上逸兵部長は「SDGsという大きな枠組みの中に、日々の教科の学びを位置づける。そういった視点を子どもたちに持ってほしいと考えたのです」。英語を学ぶこと。森林の生物多様性や、資源の活用方法を学ぶこと。すべてが、未来につながっていく。そういった自覚を持つためにも、自分たちの手で日本語コピーを作ってほしい、と言います。

 井上さんは、慶応義塾大学の文学部教授でもあり、社会言語学が専門です。SDGsの英文ターゲットから日本語コピーをつくるという課題については「正直、3年生には難しい単語も多く、かなり大変だろうと思います。でも、辞書を引き、悩み、格闘しながら自分のものにしてほしいです」とエールを送りました。

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