ケータイにはアドレス帳やメール、写真など、いろいろなデータが保存されています。こうしたデータの一部をちょっと人に渡したいとき、あるいは買い換えた新しいケータイに移したいとき、どのようにすれば、いいのでしょうか。メールに添付して送信する、パソコンに読み込んで転送するなどの方法が考えられますが、ちょっとしたデータなら、もっと手軽に転送する方法があります。それが「赤外線通信機能」です。
ケータイには、数年前から赤外線通信機能が搭載されています。赤外線通信機能はテレビのリモコンなどにも使われている赤外線を使い、同じ機能を持つ他の機器と通信をする機能です。当初は各開発メーカーが独自の仕様で開発されていたため、同じ機種同士でしかデータをやり取りできませんでした。しかし、第2回の「賢く使おうケータイの電話帳」でも紹介したように、最近ではケータイで扱う各種データの仕様が統一されつつあるため、異なる事業者やメーカーの端末間でもやり取りできるデータが増えています。
たとえば、お気に入りのレストランやショップの連絡先をケータイのアドレス帳に登録していたとしましょう。これを友だちに教えたいとき、メールにお店の情報を入力して、送信するのも手ですが、相手がいっしょに居て、赤外線通信機能を搭載した端末を持っているのなら、赤外線通信で転送した方が簡単です。お互いの端末にある赤外線通信ポートを向かい合わせ、片方が赤外線送信、もう片方が赤外線受信とすれば、ほんの数秒でデータが転送できてしまいます。赤外線通信機能は「通信」をしていますが、ケータイの回線を使うわけではないので、通信料も掛かりません。
また、ケータイを買い換え、今まで使っていた端末に保存されているメールを転送したいときも同じように赤外線通信が使えます。すべてのメールを転送するのであれば、各事業者の系列店などにお願いするか、パソコンを利用するのが手っ取り早いでしょうが、大切な人からのメールや取っておきたいメールを選んで転送するのなら、赤外線通信の方が手軽です。同じように、Bookmark(お気に入り)を転送したり、カメラで撮影した静止画などを転送することもできます。ただし、アドレス帳以外のデータは異なる事業者の端末間で転送できないこともあるので、注意が必要です。
カメラで撮影した写真については、赤外線通信を使い、プリンターで出力することもできます。プリンター側にオプションの赤外線通信アダプターを用意しなければならないものもありますが、富士写真フイルムの「Pivi(ピヴィ)」や「チェキプリンター」のように、手軽にプリントできる専用プリンターも販売されています。パーティなど、人が集まる場所に持っていくと、カメラでの撮影も楽しくなります。
赤外線通信機能は、こうしたデータの転送以外にもいろいろな使い道があります。最近ではケータイのアプリ機能と組み合わせ、テレビやビデオデッキ、DVDレコーダーのリモコンとして使えるものが増えています。ごくシンプルにリモコンとして使えるものもありますが、なかにはテレビ番組表を表示するEPG(電子番組表)アプリと組み合わせ、アプリ上で見たい番組を選んでおき、ビデオデッキやHDD/DVDレコーダーに赤外線通信で転送して、録画予約をするといった使い方ができるものもあります。
この他にもカラオケのリモコンとして利用したり、ケータイの赤外線通信で操作できるオモチャが販売されるなど、赤外線通信の用途はますます広がっています。