ケータイの料金明細やカタログなどを見ていると、「パケット通信料」という言葉が頻繁に登場します。このパケット通信とはいったいどういうものなのでしょうか。今回はパケット通信のしくみについて、説明しましょう。
私たちが利用しているケータイは、音声通話だけでなく、メールやコンテンツの閲覧など、いろいろな用途に活用することができます。手元にあるのはひとつのケータイですが、実はその用途によって、ケータイは異なる方法で通信をしているのです。
ケータイで音声通話をするときは、空いている無線チャンネルを使い、基地局や電話網を介して、相手の電話と音声データのやり取りをします。少し極端な比喩(ひゆ)になりますが、簡単に言ってしまえば、音声通話は空いている無線チャンネルという「パイプ」や「管」、「筒」を占有して、音声データをやり取りしているわけです。こうした通信のことを「回線交換」「回線接続」と呼んでいます。
しかし、多くの人が音声通話をしようとすると、無線チャンネルに空きが足りなくなり、一時的に音声通話が利用できないといったことが起きてしまいます。電波は空中を飛んでいるため、無限に利用できるように考えられがちですが、ケータイで利用できる周波数には限りがあります。つまり、利用できる「パイプ」の本数に限りがあるため、混雑のために通話ができないといったことが起こるわけです。
そこで、ケータイのさまざまな用途のうち、メールやコンテンツ閲覧といったデータ通信については、「パケット通信」という方法を使うことにより、効率良くデータをやり取りできるようにしています。パケット通信はやり取りするデータを一定サイズの「小包(パケット)」に区切って、送受信することから、このように呼ばれています。
回線交換が「パイプ」を占有してやり取りをしているのに対し、パケット通信は「ベルトコンベアー」のようなものにデータを載せて、やり取りをします。音声通話の回線交換では通話中の人が無線チャンネルを占有していましたが、パケット通信ではいろいろな人のケータイが無線チャンネルを共有しながら、使うことになります。つまり、パケット通信のベルトコンベアーにはAさんのケータイのメール、Bさんが見ているサイトのデータ、Cさんがダウンロードしている着信メロディなど、いろいろな小包が混在した状態で運ばれるわけです。そのため、回線交換よりも効率良くデータをやり取りできることになります。
ただ、ベルトコンベアーの混み具合によっては、データのやり取りに時間が掛かることもあります。そのため、即時性が必要な音声データの送受信には、今のところ、パケット通信は使われていません(一部、例外はありますが)。ちなみに、パケット通信のベルトコンベアーにはいろいろな人のパケットが混在することになりますが、それぞれのパケットには通常の小包や宅配便などと同じように、荷札が付けられているので、他の人のパケットが誤って送られてしまうことはありません。
回線交換とパケット通信のしくみの違いは、料金にも影響します。音声通話は基本的に通話をした時間、つまり、パイプを占有した時間によって、課金されます(相手先との距離が関係することもあります)。これに対し、パケット通信は送受信したデータの量、つまり、ベルトコンベアーに載せたパケットの量(数)によって、課金されるわけです。