2008年4月4日
フルキーボードを備えたソフトバンクの「インターネットマシン 922SH」(シャープ製)
ケータイは通話だけでなく、メールやコンテンツ閲覧など、さまざまな用途に使うことができますが、普段、パソコンでメールやウェブ閲覧をしている人たちからは、「いまひとつケータイの操作に慣れない」といった声を耳にします。そこで、今回はパソコンと同じフルキーボードを装備したケータイについて、紹介しましょう。
現在、販売されている多くのケータイは、2〜3インチのディスプレーを搭載し、数字や文字を入力するためのダイヤルキー、画面に表示されたメニューなどを操作する方向キーと決定キーなどを装備しています。ケータイの基本的な操作は、この方向キーと決定キーを最も多く利用します。メニュー操作もこれらのキーで簡単にできます。
しかし、かなや英字の入力は[1]〜[0]と[*][#]のダイヤルキーをくり返し押す「マルチタップ方式」を使うため、なかなかスムーズに文字入力ができず、苦手意識を持つ人も少なくありません。最近のほとんどのケータイには、最初に入力された1、2文字から予測される入力候補を表示する「予測変換」という機能も搭載されており、慣れてしまえば、比較的、簡単に文字を入力できる環境が整っています。ただ、それでも「ケータイのメールは便利だけど、返事で文字を入力するのが面倒で……」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、ケータイ各社では、パソコン用キーボードに慣れている人向けにパソコンと同じQWERTY(クワーティ)配列のフルキーボードを装備したケータイを販売しています。
よく知られているのは、マイクロソフトの携帯端末向けOS「Windows Mobile(ウィンドウズ・モバイル)」が搭載されたスマートフォンで、「Advanced/W―ZERO3[es]」(ウィルコム)、「X01T」「X02HT」「X03HT」(ソフトバンク)、「EMONSTER(イーモンスター) S11HT」(イー・モバイル)などが販売されています。
フルキーボードの形状は機種ごとに少しずつ違い、ボディーからキーボード部をスライドして引き出すタイプ、ボディーにそのまま小さなキーが配列されたタイプなどがあります。ケータイはボディーサイズが限られているため、パソコンのキーボードとまったく同じ操作性というわけにはいきませんが、基本的なキー配列が同じであるうえ、ケータイの文字入力のメリットである予測変換も利用できるため、パソコンのキーボードに慣れた人なら、快適に文字入力ができます。Windows Mobileが搭載されたスマートフォンでは、Word(ワード)やExcel(エクセル)といったオフィス・アプリケーションの閲覧や編集ができるなど、パソコンに近い使い方ができます。その半面、Windows Mobileを搭載したスマートフォンには、ケータイ各社が提供するケータイ向けのコンテンツ閲覧が利用できない機種があるなど、通常のケータイに比べ、いくつか利用できるサービスや機能が制限されてしまうこともあります。
こうしたスマートフォンに対し、通常のケータイのサービスや機能を継承しながら、フルキーボードを装備した「インターネットマシン 922SH」がソフトバンクから3月に発売されました。同社の公式サイト「Yahoo!ケータイ」やメールサービスの「S!メール」、ゲームなどのアプリが楽しめる「S!アプリ」などの各種サービスが利用できます。
パソコンのホームページを閲覧できる「PCサイトブラウザ」(フルブラウザ)、プロバイダーなどのメールを送受信できる「PCメール」も搭載されているため、Webページ閲覧とメールについては、モバイルノートパソコンの代わりのように使うことができます。見た目は小さなパソコンか、電子辞書のようですが、本体を折りたたむことで、通話もできます。パソコンとケータイの使い勝手を融合させたユニークな端末と言えるでしょう。
市場が成熟する一方、ユーザーのニーズが多様化してきたことで、ケータイにはいろいろな新しい取り組みの端末が増えてきています。「ケータイのダイヤルキーでの文字入力はちょっと……」という人は、パソコンで慣れ親しんだフルキーボードを使えるケータイにチャレンジしてみてはどうでしょうか。

ITジャーナリスト。パソコンや携帯電話など、幅広いデジタル製品の試用レポートや解説記事を執筆。携帯電話関連では業界No.1サイト「ケータイ Watch」にも連載中。「できるWindows Vista」「できる入門 今日からはじめるパソコン Windows Vista 対応」(インプレス刊)など著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。